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○0701『ロゼッタストーン解読』

『ロゼッタストーン解読』
著者名:アドキンズ(木原武一訳) 出版社:新潮文庫 文責 国語 坂本幸博

 象形文字と聞いて一番に思い出されるのは、エジプトのヒエログリフであろう。その神秘的な形状や謎に包まれた成立過程によって、世の人々の興味関心を集めてきた。クレオパトラ、カエサル、オクタヴィアヌスの時代にはまだ読めるものが何人もいたと伝えられている。しかし、エジプトがローマの支配下に入り、キリスト教がローマの中で広まっていくに従って、「異教の文字」であるヒエログリフは禁止されていく。そして、394年にアスワン近くのフィラエ島の神殿に記された碑文を最後にヒエログリフは完全に使用されなくなるのである。
 そして、時は流れ、ナポレオンがエジプト遠征を行う。そこで発見されたのがロゼッタストーンであった。ロゼッタストーンには、三種類の文字が書き込まれていた。それぞれ、ヒエログリフ、デモティク(民衆文字)、ギリシャ文字である。その三つの文字は、おそらく同じ碑文が刻まれていると推論され、それを比較対照することで、すぐにヒエログリフは解読できると考えられたのである。
 しかし、ことはそう簡単にはいかなかった。なかなか解読が進まないのである。その原因は「ヒエログリフは象形文字であり、その文字一つ一つが象徴的な意味を表す」という先入観だったのである。実は、ヒエログリフは、その文字体系に「象形文字」「表意文字」「表音文字」を持っていたのである。つまり、同じ一つの文字が、場合によって、象形的にも、表意的にも、表音的にも使用されるということである。表意的とは、「山」や「川」のようにその一つの文字で、一つの概念を表すことで、表音的とは、アルファベットや平仮名、片仮名のように、音のみを表し、意味は持たないというものである。
 このことに最初に気付いたのは、トーマス・ヤングという名のイギリス人であった。彼は、カルトゥーシュと呼ばれる「円」で囲まれた王の名から、それを推論したのである。ヤングは「ヒエログリフの解読者」という栄光に一番近い人物となった。ところが、そこからまた、解読は遅々として進まないのである。決定的な発見をしたはずなのにである。その発見から別のアプローチをしたのが、現在、「ヒエログリフの解読者」として知られるシャンポリオンである。彼は、解読の補助的作業として、それぞれの文字で表記されたテクストの数的分析を行うことを思いついたのである。すると、ギリシャ語は486語で書かれていたのに対し、ヒエログリフは1,419字で書かれていたのである。
 この圧倒的な差から、ヒエログリフのテクストには変異性があり、象形文字と表意文字と表音文字が組み合わされて表記されているという仮定が成り立つことになる。はたして、結果はその通りであり、その点に気付いたシャンポリオンが、解読者として後世までその名をとどろかせることになる。
 しかし、シャンポリオンが解読を成し遂げるためには、ヤングの発見は不可欠であった。もちろん、ヤングは自身の手で解読を成し遂げようと思っていたはずであるが、その夢を果たすことはできなかった。彼らの他にもヒエログリフを解読しようとした言語学者や歴史学者はそれこそ、きら星のごとく存在していたのである。ロゼッタストーンをめぐるヒエログリフの解読作業は、多くのライバルたちによる競争という側面もあったのである。


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