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○0704『金曜日のアンナ-不思議なことばの世界へ-』

『金曜日のアンナ-不思議なことばの世界へ-』
著者名:ヘレーネ・ウーリ(福井信子訳) 出版社:大修館書店 文責 国語 坂本幸博

 私は大学で日本語学を中心とした「言語学」を学び、論文を書いてきた。また、過去の書評において、言語学関連の著作を何度か紹介してきた。言語学に関する著作は、少なくない数を読んできたように思っているが、当該図書のような作品にはなかなか会うことができなかった。
 言語学のおもしろさを紹介するために、小説仕立てで物語が展開されていく。オスカルという名の少年の家にアンナという名のベビーシッターがやってくる。アンナは言語学を学んでおり、オスカルに言語学という学問を紹介する。その際、「木イチゴのドロップ」を使い、魔法でバイキングや古代ローマの人間を呼び出し、その言語を比較検討するという方法をとる。最初に呼び出されるのが、古ノルウェー語を話していたバイキングのグンレイクルであるのは、この作品の舞台がノルウェーだからである。まずは、いわゆる「古典語と現代語」の比較から始まっているのである。
 その後、文字論や言語習得論、言語の構造や体系、外来語と借用語といった、言語学を学んでこなかった人たちには、何となく難しそうに感じるテーマが、オスカルとアンナのやりとりでの、平易な文章で学んでいくことができるようになっている。また、物語として、アンナの正体やなぜ魔法を使えるのかという事に対する答えも、読者の興味をそそるものとなっている。
 前書きによると、ノルウェーでは専門分野のことを、一般の読者にも十分わかるように、しかも、読者が楽しみながら、おもしろいと思えるように書かれている本があふれているそうである。何とも夢のような世界である。
 当該図書を言語学の入門書として捉えるなら、日本人にとっては少々厳しい部分があることも否めない。例示がさまざまな言語でなされているため、内容を深く理解しようとすれば、どうしても複数の言語の知識が必要になってくるからである。しかし、「読み物」として捉えれば、他の言語の知識がなくても十分に楽しむことができ、また言語学という学問の特徴を十分に把握できる良書であるといえる。
 日本ではなじみの薄い学問ではあるが、当該図書に触れることで、言語学に興味関心を持ってくれる人が一人でもでてくれば、それは大変意義深いことである。

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