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○0716『反逆(上・下)』

『反逆(上・下)』
著者名:遠藤周作 出版社:講談社文庫 文責 国語 坂本幸博

 茶の湯に通じた文化人としても名高い戦国大名、荒木村重を描いた小説である。村重は、信長に重用されたにもかかわらず、最後には反旗を翻し、その戦いの中で破れ、一族郎党が皆殺しにされる中、命を長らえた悲劇の武将である。
 村重は史実において、信長にかなり重用されていた。「摂津一職」の支配を任されており、天正二年から三年にかけての信長の支配圏をながめても、村重に匹敵するものは、柴田勝家や佐久間信盛といった譜代部将しかいないのである。ちなみに村重自身は織田家にとっては外様である。
 物語は、信長に下った村重が、信長に非常に失礼な態度を取られるところから始まる。村重の中では、そのことがいつまでも頭から離れず、何度も悪夢に見るようになる。そうした中、村重に二十歳も年の離れた少女が嫁いでくる。その少女は城の庭に桔梗の花を植えてほしいとせがむのである。
 これは非常に象徴的な描かれ方である。桔梗は明智光秀の家紋であり、ここで村重の反逆が暗示されているのは明らかである。この少女は一族郎党皆殺しにされる際に、非常に毅然とした態度をとり、その死に臨む姿はとても美しく描かれている。信長は反逆したものの身内は、女、子どもといった非戦闘員でも容赦せず、とてもむごい殺し方をしている。その惨劇の中で、この少女の気高い美しさは、読者の涙と感心を誘うものになっている。
 主人公は村重であるが、物語の中では松永久秀の裏切り、そして、高山右近が村重を裏切る場面も非常に印象的に描かれている。また、物語序盤において、羽柴秀吉が信長に対し「いずれ、あの主人と雌雄を決せねばなるまい。あの主人が俺を道具として使うなら、俺もあの男を踏み台として利用するまでだ。」という発言をしていることにも注目したい。戦国ものに秀吉はよく登場するが、いずれも信長を慕い、本能寺の際には泣き崩れて、敵討ちを誓うという行動をとっていることが多い。そうした中で、秀吉にこうした発言をさせる著者の意図をよく考えながら、じっくりと読み込んでいかなくてはならない作品であろう。


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