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○0728『秘の思想‐日本文化のオモテとウラ‐』

『秘の思想‐日本文化のオモテとウラ‐』
著者名:柳父章 出版社:法政大学出版会 文責 国語 坂本幸博

 人は「秘」ということばにどうのような印象をもつであろうか。私は、秘密、秘伝、秘宝、など語例を挙げてみると「隠されたもの」であり、かつ「最重要なもの」であるようにイメージされる。
 筆者はこうした視点から、いわゆる「舶来文化」を考察する。舶来のものは「形」としてそのものは存在するものの、元々の出所である「外国」はなかなか見えてこない。そこに存在する「秘」によって、我々は舶来のものをとてもすばらしいものとして判断しているのではないだろうか。
 日本人は古代に中国から漢字を導入し、そこから「仮名」を作り出し、自らの文化とした。仮名は男女のどちらも使用することができるが、漢字は男性のみが使用できるものとし、女性が漢字を書き散らすことははしたないこととされた。「秘」である漢字を使用できるものは選ばれたものであり、社会的ステータスも高いものになったのである。
 仏教を導入した際も、それが「舶来もの」であったことが大きく働いたのではないかと考えられる。仏教が日本古来の宗教と比較して、特別に霊験あらたかで、現世利益を与えてくれたわけではない。仏教推進派であった蘇我馬子も、彼自身が仏教を信仰するようになった理由を、「鉄の槌で仏舎利を叩いても割れない」ことや「舎利を水に入れたら浮き沈み自在であった」ためであると述べている。結果、よく分からないが、中国からきたありがたいものだという考えに至るのである。これは仏教の内容の理解とは全く関わらないことである。
 キリスト教の場合も、これと近いことがいえるのではないか。宣教師達が布教を始めた当初は、「外国の教えである」ということだけでありがたいと思ったものは少なくなかったのではないか。大友宗麟のようにキリスト教にかなり傾倒したキリシタン大名であっても、始めは西洋の武器を輸入するために布教を許しているのである。
 津軽の言い回しの中に「舶来上等」や「上等舶来」というものがある。上等なものや上等なことをした人に対してかけることばであるが、ここで「上等」と「舶来」が結びつくのは、上記のものと関係するものであろうことは容易に想像できる。「上等舶来」も「舶来上等」も、もちろんほめ言葉ではあるが、使用する状況によっては揶揄の響きも含まれる場合がある。そうした点もなかなかに興味深いように思う。
 明治には日本は「ヨーロッパ」を目指し、戦後は「アメリカ」を目指してきたように思う。これからの日本は西洋諸国のみならず、世界のあらゆる国々と関係を深めていかなければならない。その時には、日本文化は「舶来もの」に対して特別の関心を持つ傾向があるのだということをよく理解して、他国とつきあっていかなくてはならないだろう。

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