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○0731『地域語の生態シリーズ東北編 方言主流社会‐共生としての方言と標準語‐』

『地域語の生態シリーズ東北編 方言主流社会‐共生としての方言と標準語‐
著者名:佐藤和之 出版社:おうふう 文責 国語 坂本幸博

 現在の日本では、メディア・交通機関の発達、また学校教育の影響により、方言は姿を消しつつあると考えられている。しかし、各地ではまだまだその土地の特徴のある方言が話されており、地域によっては共通語よりも重要な地位を占めていることがある。
 東北地方はいわゆる「方言主流社会」であり、現在でも暮らしの中に方言が息づいている。しかし、同じ方言主流社会である関西地方と比較すると、その意識において違いがあるといわれている。東北も関西も、人々が方言に親近感をおぼえている地域である。ところがそれが「ソト」に向いたときに、関西は自信をもって方言を使用するのに対し、東北は「恥ずかしい」という感情をおぼえがちなのである。そこにはいったいどのような違いがあるのだろうか。
 筆者は方言と社会の関わりを「社会言語学」の立場から研究を重ねてきた。ことばは社会と切り離せないものであり、そこには使用する人々の意識が強く働くのである。言語学はともすれば「人間不在」の状況に陥ってしまうが、筆者はことばを考察する際に「人間・社会」というものを重要視して数々の功績をあげてきた。
 当該図書は方言の「イメージ」ということを中心に考察が行われている。中でも、特に興味深いのは新聞に寄せられた一通の投書をめぐる話に関係する問題である。東京からご主人の仕事の関係で移り住んだ主婦が、子ども津軽方言の発音のことを聞かれ、子どもに「共通語が正しく、方言はよくない」とたしなめ、その後、地方蔑視をそのまま文字にしたかのような投書を新聞の明鏡に送ったのである。そして、それに対してさまざまな反響が寄せられ、そこから半年間にわたり、新聞紙上において「論争」が繰り広げられたのである。
 それぞれの立場から、方言に対して、プラスの意見、マイナスの意見が述べられることもあれば、「使い分け」といった観点から述べられたものもあった。詳しく知りたい方はぜひ当該図書を繙き、また当時の新聞記事を調べてみてほしい。方言と共通語という言語の問題ばかりでなく、中央と地方、優越感と劣等感といったものも考えるきっかけになるのではないかと思われる。
 方言は「きたないことば」で共通語は「きれいなことば」と単純に考えるのは明らかに間違いである。共通語にも「きたないことば」もあれば「きれいなことば」もあり、同じように方言にも「きれいなことば」もあれば「きたないことば」もあるのである。我々は、「自分たちと違う」ものをしっかり認められるようになる必要がある。自分たちと違うものを「嘲笑」や「批判」の対象とするだけでは、そこには何も生まれないのである。 


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