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東奥義塾高等学校 公式ブログ

○0746『剣の天地(上・下)』

『剣の天地(上・下)』
著者名:池波正太郎 出版社:新潮文庫 文責 国語 坂本幸博

 主人公は、戦国時代の剣豪の一人である、上泉信綱である。上泉は「かみいずみ」とも「こういずみ」とも読むとされている。このブログの書評において、私が一番初めに取り上げた本である『業政駆ける』の主人公である長野業政(業正)に仕え、数々の戦いにおいて活躍している。武田勢や北条勢といった手強い敵を相手にし、獅子奮迅の働きをする姿は、読むものの心を熱くする。「長野十六本槍」の筆頭として「長野一本槍」の感状を授かったといわれている。長野氏滅亡の後は、武田信玄に強く士官を求められたが、決して応じることなく、信玄を落胆させたと伝えられる。
 兵法家としての信綱、剣士としての信綱の双方が非常に魅力的に描かれている。兵法家としての信綱は、主君である長野家を支え、周囲の強敵達を、翻弄し、蹴散らしていく。剣士としての信綱は、師匠ともされる塚原卜伝とのやりとりや若き日の柳生宗厳とのやりとりによって、非常にさわやかな雰囲気とともに、読み手の心にふかくしみこんでくるものになっている。
 卜伝、信綱、宗厳、この三人に共通する考え方は、剣とは人を生かす「活人剣」であるというものである。一般の人間の多くは、剣とは「人殺しの道具」であり、剣の道を究めるというのは、人殺しの技術を磨くという、浅はかな考えに至ってしまう。しかし、剣というものはそういうものではないだろう。剣の修行は乃ち人生の鍛錬である。物事の折り目、節目というものを学ぶこともでき、そこから「美とは何か」ということを学ぶことができるのである。「美」は乃ち「品位・品格」である。今の日本人に一番欠けているものはこの「品位・品格」ではないだろうか。
 また、剣に限らず修行を続けていくと、必ず自身の限界というものに気付かされる。人間は自信の限界を知ることでのみ、謙虚になることができる。謙虚になることで、他者の言動から多くのことを学び、ますます自身を磨いていくことができるのである。
 現代社会を生き抜いていくために、必要不可欠なことの多くが当該図書には溢れている。歴史物・剣劇物ということでえり好みするのではなく、多くの人たちに繙いてほしい作品であるといえる。 

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036-8124               青森県弘前市石川長者森61-1  東奥義塾高等学校 TEL:0172-92-4111 FAX:0172-92-4116

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