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○0767『言語人類学を学ぶ人のために』

『言語人類学を学ぶ人のために』
著者名:宮崎伯人編 出版社:世界思想社 文責 国語 坂本幸博

 言語学という学問は、他のさまざまな学問と関わりをもっている。古くは、民俗学と深く関わり、日本においては柳田国男や折口信夫が、言語と民俗学を関連させて、数々の研究をなしてきた。また、各地の言語(主に方言)を比較するために「言語地図」を作成してきた「言語地理学」、人々の意識や社会階層などと言語との関わりを研究した「社会言語学」、さらには、いわゆる「理系」の学問分野である脳科学と関わる「神経言語学」などがなされてきた。
 その中で、言語人類学は、言語とそれを取り巻く「言語外現実」との関係を扱うものである。言語と文化の間にある相関性をとらえ、言語を通して(飽くまで、言語を通してである)文化とそれを担う集団(民族)の問題に迫ろうとするものである。前に述べた「社会言語学」と重なる部分が多く存在するが、それぞれ焦点の当て方が異なっている。
 編者はいわゆる「エスキモー」と呼ばれる人々の言語や、アフリカの諸言語に対して、綿密なフィールドワークを行い、数々の業績を重ねている言語学者である。長い期間現地においてインフォーマントと生活を共にし、信頼関係を作り上げ、そこから調査に入ろうとする姿勢は、言語学者のみならず、他分野の研究者も見習うべきところであろう。また、対象に対しての取り組み方という観点でみれば、一般の人たちにも大変参考となるものである。
 そうした姿勢が研究の役に立ったというエピソードを一つ紹介したい。土田慈という言語学者があるアフリカの言語を調査していたとき、現地に入り、インフォーマントと生活を共にして、とにかくその言語の音を練習し、うまく発音できるように努力していた。するとそのインフォーマントは「あなたは発音がうまいから、こちらも一生懸命調査に協力したい。以前、やってきた研究者は発音の仕方が全然駄目だし、努力もしようとしなかったから、いい加減に答えておいて、追い返してやったんだよ」と話したそうである。このエピソードは我々に多くのことを示唆してくれているのではないだろうか。

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