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○0776『とりかへばや物語』

『とりかへばや物語』
著者名:中村真一郎訳 出版社:ちくま文庫 文責 国語 坂本幸博

 前回、前々回は、『新訳十二夜』、『王子とこじき』と連続で「取り替え譚」を扱ってきた。今回は「取り替え譚」シリーズ第三弾として『とりかへばや物語』を扱いたい。
 成立は、平安後期である。関白左大臣の二人の子ども、一人は、内気で女性的な男の子、もう一人は、快活で男性的な女の子である。父の左大臣は、二人の様子を見ながら「二人を取り替えたいなあ」と考え、その考えを実行に移してしまう。ついに、男の子は「姫君」として、女の子は「若君」として育てられることになる。
 「若君(女の子)」は才覚を現し、どんどん出世を重ねていき、「姫君(男の子)」は女性として後宮に出仕することになる。そして「若君」は右大臣の娘と結婚するが、夫婦の関係を持とうとしない(当たり前である)。そのうちに右大臣の娘は「若君」の親友である宰相中将と密通し、結婚生活は破綻することになる。また「姫君」の方は、主君である女東宮(女一宮)に恋いこがれ、ひょんなことから関係を持ってしまう。
 お互いに思い悩むうちに、なんと宰相中将が「若君」の秘密に気付いてしまい、関係を持った上に、妊娠までしてしまうのである。こうなるともうすでに収拾がつかない状態である。しかし、ここから物語は思わぬ展開を迎えるのである。こうした事態に及んで、再度入れ替わりを行い「若君」は元通り女性として、「姫君」は元通り男性として生活することにする。そして、大団円へとつながっていくのである。私自身は、こう書いておきながら、大団円であると自信を持っていうことはできない。若君と姫君の立場からすれば大団円であろうが、それに「振り回された」周囲の人たちの感情はどうするのかと思えてしまう。
 さて、このとんでもない事態が、どうすれば大団円になるのかと考える方は、ぜひ当該図書を繙いてほしい。深い人間関係の描写は、近現代につながるものであるということもあわせて理解できるであろう。
 一つ残念なことは、訳に「間違いではないか」と思われる箇所が散見することである。そうした点にも注意して読み進めてほしい。

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