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○0805『チェルノブイリ:死の森か、エデンの園か』

『チェルノブイリ:死の森か、エデンの園か』
著者名:アダム・ヒッギンボサム 出版社:コンデナスト・ジャパン 文責 理科 井上嘉名芽

 1960年代にウクライナ最初の原発・チェルノブイリ原子力発電所、およびその従業員の町プリピャチが郊外に建設されたが、1986年の原発事故でチョルノーブィリの住民も避難させられ、都市としての歴史に終止符が打たれた。ソビエト連邦が崩壊すると、1991年からはウクライナに属している。
 その後の状況が注目され続けもう25年経つが今もなお事故前のようには戻っていない。生態調査も継続的に進む中、そろそろウクライナ政府は観光客への開放も示唆し始めている。しかし、このことについて警鐘を鳴らす研究者も多いのも事実だ。目に見えない放射能だけに、今後もウクライナ政府の動向は気になるところである。日本の福島原発の後も、どの様になるのだろうか。最近は福島原発のその後のニュースも少なくなり、日本は今後どの様に対応していくのであろうか。今回は本書で気になる研究結果に対する研究者達の危惧していることを紹介する。
 「1986年から始まった低レベルの放射線に関する研究によって明らかになったこともいくつかある。そのひとつが、長期的な放射線被曝に対する反応は種によってさまざまである、ということだ。例えば、針葉樹よりもカバノキのほうが放射線に強い。渡り鳥であるツバメは放射能に非常に敏感のようだが、移動しない鳥はそれほどでもない。また、事故の数日後に制限区域で採れた冬小麦の種子は、汚染されていない土壌で発芽させたにもかかわらず、多くの株に突然変異が見られた。それ以降の世代もやはり遺伝的に不安定で、事故から25年たったいまでもそれは変わらない。ところが原子炉付近で育った大豆に関する2009年の研究は、放射線から身を守るための分子レベルの変化が大豆に起きたことを示している。一方はDNAが損傷し、一方はやがて適応していく。人間がそのどこに位置するのかは誰にも分からない。「それこそが知りたいことなんだ」。モレールは言う。「放射線による突然変異が起きたとき、ヒトはツバメなのか、大豆なのか」。この問いに対する答えが出るには数十年、あるいは数百年かかるかもしれない。これまでの研究でも、長期的な放射線被曝が遺伝子に与える影響はしばしばとらえがたく変化に富んでおり、はっきりした結果が出るまでには何世代もかかっている。除染作業員たちの子どもの世代がいま子育てを行っているということは、まだ3世代。人間に起こりうる遺伝子変化が十分に解明されるまでには数百年かかるかもしれない。ウクライナ政府は、自国の調査チームが出した結果に満足しているのか、制限区域を観光客に開放する計画を推し進めている。セルゲイ・ガシュチャクが心配しているのは今後、機会さえあればすぐにでも制限区域への再入植が始まるのではないかということだ。 制限区域への再入植は、モレールとムソーも望んではいない。ガシュチャクは、ウクライナの熱心なハンターたちの手の届かないところでヘラジカやオオヤマネコが暮らせるこの場所を、永久的な野生動物保護区に指定してもらいたいからだし、モレールとムソーは、突然変異を促す要因が残る環境に長く暮らした場合に人間が健康でいられるのか、危惧しているからである。」


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