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東奥義塾高等学校 公式ブログ

○0806『地域語への接近-北陸をフィールドとして-』

『地域語への接近-北陸をフィールドとして-』
著者名:真田信治 出版社:秋山叢書 文責 国語 坂本幸博

 著者は、大阪大学で長く研究・教育活動に取り組み、日本の「社会言語学」をリードしたすばらしい研究者である。
 真田の研究のすばらしさは、既成の概念にとらわれず、事象を正しく観察するために、術語の一つ一つを丁寧に考えるところにある。その姿勢が顕著に表れたのが「ネオ方言」という術語である。この概念は地域に生まれた新しい方言スタイルを表すもので、地域回帰への象徴であると指摘している。自身の考える概念を正しく表現するためには、正確な術語を使う必要がある。仮に適切な術語がない場合には、自身で工夫し新たな術語を造らなくてはならない。
 筆者は当該図書において「方言」ではなく「地域語」という術語を使用している。当該図書の発行年は1979年であり、一般の人たちは「方言」という語にずいぶんとマイナスの印象を持っていた時代である。著者はそうした「不当なニュアンス」を読者に持たせないために「地域語」という新たな術語を用いたのである。
 ということは、著者は当該図書の読者を、言語学者たちだけではなく、一般の人々も含めて考えていたということがわかる。こうした著者の姿勢は、この1979年(あるいはそれ以前)から現在までまったく変わることがない。「社会言語学」が注目を浴びたのも、ともすれば方言研究が「人間不在」になることを、多くの研究者が問題視したためである。「人間不在」であれば、その研究成果は社会に還元されにくい。言語学者も社会に貢献することを考えなくてはならない、ということである。
 このように見てみると、著者がいかに早くから、社会との関わりを考えていたかがよくわかる。言語に関わるものとして、こうした視点は常に持ち続けなくてはならないと気持ちを新たにさせられた。


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