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○0829『臨床心理学-全体的存在として人間を理解する-』

『臨床心理学-全体的存在として人間を理解する-』
著者名:伊藤良子 編著 出版社:ミネルヴァ書房 文責 理科 井上嘉名芽

 臨床心理学と精神医学は全く異なる機能をもつ学問である。両者のもっとも端的な相異は、精神医学における治療が医学的診断に基づく薬物療法を行うのに対して、臨床心理面接においては心理療法を中心とする心理的な技法によってクライエントの抱える困難に迫るという点に見ることができる。すなわち、原因の発見による病気の除去に重点が置かれた医学的診断とは異なって、臨床心理面接の心理アセスメントの意義は、クライエントについての理解を関係性において深めるところにある。臨床心理面接のこの立ち位置は、全体的存在としての人間のあり方に接近するには、誠に適切なものとなったといえる。
 精神医学の方法には生物学的方法と心理学的方法があるが、どちらが重視されるかは、病状によって異なってくる。
 前者では、薬物療法が主となるが、患者が服薬を受け入れ、薬が有効に作用するためには、医師と患者の安定した関係の樹立が必須になる。しかし、今日、通常の診断では、そのために医師に与えられた時間は非常に少ない。投薬を十分に確認しつつ治療が進められることの難しい場合には、たとえば、うつ状態の解消のような、薬の急速な身体への作用に、心が追いつかないという心と身体の分離による危険性も起こり得る。また、関係の樹立が難しい病態では、服薬の拒否や中断ということも生じる。
 後者の心理療法が主となる病状の場合も医療の場では投薬治療がなされるのが一般的であるので、医師が薬の処方と心理療法を兼ねて行うと、薬物療法における物質と心理療法における人間関係が混交することになって、関係の実態が見えにくくなることがある。特に人格障害などにおいて、医師に対する依存をはじめとする複雑な感情が薬の背後で作用している場合、そこからの脱却、すなわち、主体性の回復のための作業が難しいことにもなる。従って、今日では、服薬の必要性が有る場合は、薬の処方を担当する医師と心理療法を行う臨床心理士との役割分担による協働がなされることが増えている。


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