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○0926『コミュニケーションは、要らない』

『コミュニケーションは、要らない』
著者名:押井守 出版社:幻冬舎 文責 美術 木村顕彦
 本書は、幻冬舎新書の一冊だ。著者は『イノセンス』『スカイクロラ』で知られるアニメーション監督の押井守である。
 最初に述べておく。本書は稀にみる名著だ。
 押井には、幻冬舎新書の前著『凡人として生きるということ』がある。昨今の新書ブームで、書店は各社の新書で溢れ返っている。一人の著者が、同じシリーズの新書を何冊も書いていることがある。だがその場合、多くは一冊目の著作が最も面白い。二冊目以降は、どんなにテーマを替えようとも、内容が薄い。そういった例を私は多く見てきた(偉ッそうに)。だから、押井の前著『凡人として生きるということ』以上の内容は望めないだろうと思いながら本書をめくる。だが、その私の想いは、いい意味で裏切られた。こんなに刺激的な内容の「新書二冊目」を私はみたことがない。
 本書帯には「つぶやけばつぶやくほど、人はバカになる。」とある。ここでの「つぶやく」とはツイッターやフェイスブックなどのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を指す。帯でのこの主張が、本書での著者の想いのたけだ。この主張だけだと、アナログ世代の愚痴に過ぎないが、本書を読み込んでいくと、著者の言わんとしていることがびしびしと伝わってくる。それは、日本人の国民性の話に始まり、原発反対の世相の動きにまで論が進む。
 最も刺激的なのは、原発事故後、「スタジオジブリは原発ぬきの電気で映画をつくりたい」とかいた横断幕をスタジオ屋上に掲げた映画監督・宮崎駿への批判だ。当然、押井にとって宮崎駿は、アニメーション監督として尊敬すべき人物だ。だが、あえて押井はこの時の宮崎の行動を批判する。押井の論はこうだ。スタジオジブリは、「ディズニー(ブエナ・ビスタ)と業務提携し、読売グループの庇護のもとで成長してきた」。だが、ディズニーは「1950年代に原子力政策が持ち上がった時期、」「原発推進のためのキャンペーン映画をつくっていた」。そして、「その映画を日本で公開するために尽力したのが、当時の読売新聞主の正力松太郎だ。」・・・ここまで論を詰められれば、宮崎駿のやっていることが支離滅裂であることは否定できない。
 まあ、ただ本書の中で、こんな記述があることにも注目。「なぜ、他人とつきあうのか?」の節で、押井は「そんなにまでして、コミュニケーションをとる必要があるのかという疑問もわいてくるだろう。でも、これに関しては『必要はある』と僕は断言できる。」と述べている。・・・これは本書タイトル『コミュニケーションは、要らない』とまるっきり矛盾しているとおもうのだが?・・・おそらく、SNSはコミュニケーションツールとして扱われてるけど、自分からしたらそんなものはコミュニケーションじゃないよ、だから、そんなコミュニケーションは、要らないよ、という意味なのだろう。岩波新書『希望は絶望のど真ん中に』(むのたけじ・著)と本書との共通点についても書こうと思ったが、長くなったのでこの辺で。


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