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○0965『白土三平論』

『白土三平論』
著者名:四方田犬彦 出版社:作品社 文責 美術 木村顕彦

 白土三平。漫画家。代表作は『カムイ伝』、『忍者武芸帳』、『サスケ』他多数。
 私がまともに読んだ白土作品は『忍者武芸帳』くらいで、『カムイ伝』さえも読んでいない。だが、白土三平のことは気になり続けている。
 本書では、生い立ちから、時代と作品毎の考察が、多角的に論じられており、白土三平の魅力がよくわかる一冊だ。『カムイ伝』も読まずに本書を読むのは無謀だった気もするが、なんとか通読できた。
 興味深かったのは、「赤目プロ」についてだ。白土作品は、白土三平一人で描かれているわけではなく、多くは「赤目プロ作品」と銘打たれている。つまりはプロダクション製作作品である。端的な例を挙げると、『カムイ伝』第2部の作画は、白土三平ではなく「岡本鉄二」が担当している。岡本鉄二は白土の実弟であり、また、長年赤目プロのマネージャーを担当した岡本真もまた、白土の弟だ。本書で四方田は、『カムイ伝』第2部の休載の理由について「これまで赤目プロのマネージメントを一手に担当してきた真の急逝に(木村註・休載の理由が)あったかは定かではない。白土の息子である岡本洋が後を継ぐことになったが、このさいの混乱から一時的な休載が生じたものと推測される。」と述べている。もしそうだとするならば、白土がいかにスタッフ(ここでは兄弟)とのつながり、信頼の中で作品をつくり上げていっているかという大きな根拠になるエピソードだ。それにしても、名作『カムイ伝』が未完状態であることはあまりにも惜しい(近年『カムイ伝全集』が刊行されていたので、てっきり完結していると思っていた。それにしても、読んでもいないのに「名作」と呼ぶ自分が浅ましい。)
 最後に一つ。気になった箇所がある。それは白土が「80年代終わりから益子焼の加満田章次に陶芸を学び、(略)夫人と共同で陶磁器の制作に熱中していた。」という記述だ。私が気になったのは(細かいことだが)「益子焼の加満田章次」なる人物についてだ。その人物に似た名前の伝説的な陶芸家がいる。加守田章二、彼は益子と遠野を制作拠点をした。加満田章次と加守田章二。しかも益子。偶然としてはあまりにも似ている。誤植による同一人物か、とも思ったが、そうすると「80年代終わり」が引っかかる。というのは、加守田章二は1983年に49歳の若さで亡くなっているのだ。しかも加守田は1969年に益子から遠野に居を移している。こう考えていくと、加満田章次と加守田章二は別人だということは濃厚だ。おそらく加守田に憧れた陶芸家なのだろう。少し長くなったが、なぜ私はこんなにもこの一文が気になったのか。理由はわかっている。それは、白土三平と加守田章二という2人に共通する空気感だ。都会の喧騒を避け、白土は千葉県房総半島に住み、加守田は岩手県遠野に住んで制作に集中した。野武士的な2人だ。もし仮に、加守田から手ほどきを受けて白土が作陶をしたとしたら、すごい名品が生まれたであろう・・・と妄想をふくらませてしまう。

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