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○0988『知っているようで知らない 時の常識』

『知っているようで知らない 時の常識』
著者名:織田一朗 出版社:株式会社ユナイテッド・ブックス 文責 理科 井上嘉名芽

 本書は時間の概念をいろいろな角度で詳説している。1秒の決め方の基準は何であるかから始まり、時間は普通「60」の単位で考えているのに、1秒より小さい時間については「100」を単位としている。これは実はオリンピックの競技記録のストップウォッチの精度からきていることが分かり面白いと感じた。このようにいろいろと時間の小話が満載である。特に興味を引いた話は「時間治療」の話である。以下に紹介する。
「 ヒトには睡眠、目覚め、食事、など生活リズムがありますが、身体の内ではホルモンや細胞も体内時計に従がって活動しているのです。それでは、がん細胞の場合はどうなのでしょうか。がんの治療現場で、いま「時間治療」(クロノテラピー)という投薬方法に注目が集まっています。人間の体内時計のリズムに合わせ、効果的なタイミングで投薬することで、副作用の強い抗がん剤の量を減らしながら効果を高めることができるからです。
 人体には時間の推移による変化が生じることがよく知られています。睡眠、目覚め、体温、血圧、尿の排出量と尿中のカルシウム、カリウムの量はいずれもきれいな日周のリズム(概日リズム)を描きますが、これらをコントロールするホルモン、細胞分裂なども一定の周期でリズムを形成しています。したがって、正常な細胞は朝から昼にかけて活動が活発化し、夕方から夜にかけては低下し、真夜中には沈静化しているのです。ところが、これまでの投薬時間とは、一般的に朝・昼・晩や食事の一日三回など胃腸への影響を減らしながら投薬の間隔を均等にあけることでした。しかし、最近の研究では、多くの病気は一律に進行するのではなく、進行する時間帯があることがわかってきたのです。
 例えば、がん細胞は夜間に活発に増殖し、昼間は休んでいる夜行性であることが判明しました。一方、抗がん剤は強い副作用があることが知られていますが、現在のところ効果的な治療方法が限られているため、年齢や体力を見ながら限度一杯まで投与をしているのが現状です。そこで注目されているのが「時間治療」と呼ばれる投薬法で、がん細胞の活動が活発化する夜間に集中的に投薬することによって全体の投薬量をできるだけ減らそうという試みです。
 フランスでの比較研究によれば、大腸がん患者186人に抗がん剤を夜間だけ投与した方が副作用は少なく、かつ腫瘍の縮小率が高かった(1998年秋発行の英国の医学雑誌『ランセット』)との報告があるほか、ミネソタ大学のハルバーグ教授のデータによれば、口腔がん患者への投与を朝8時に行なうとがん細胞の縮小率は30%にとどまったのに対して、夜中の午前0時に行なうと、70%に増加したとの報告がなされました。日本でも最近は「時間治療」の成果が数多く報告されていますが、がん細胞が縮小すれば生存率の低下を防ぎ、再発率を抑えられます。これから病気と時間との関連の解明がさらに進めば、副作用が少なく、より効果の高い治療が実現することでしょう。」


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