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○0997『排除の空気に唾を吐け』

『排除の空気に唾を吐け』
著者名:雨宮処凜 出版社:講談社現代新書 文責 理科 井上嘉名芽

 ここ数年本当に就職難民が増えている。テレビではネットカフェ難民のこともたびたび取り上げている。この人達は生きるために日雇い労働も含め懸命に働いている。しかし、住所不定が続くことでの行政上の手続きが取れなくなってしまったために、お金が貯まっても契約できない事柄も発生してくる。本県ではあまりなじみの薄い社会現象ではあるが、貧困とはどの様なことで起こりうるのであろうか?始めのつまずきから復活できないところまで落ちて行ってしまう。最後は自殺の二文字も・・・。本県は食糧自給率「100%」を超えているので餓えとは縁遠いが、都心部東京では食糧自給率「1%」であるためお金がなければ食べ物も食べられない状態である。本書を読み身震いする内容も多々あった。でもこのような社会の一面を知らずに生きて行くには都合が良すぎると私自身感じた。ここで、本書の一部を紹介する。
『「五重の排除」という概念
 私自身、周りの友人や知人を自殺という形で失ってきた。多くがうつ病で働けず、金銭的にも厳しく、常に生活の不安に怯えていた。生活保護の申請を行っても「若いから働ける」と追い返され、家賃も滞納し、電気やガス、水道も止まり、所持金も底をつく。そのまま行けば、「餓死」が持っている日々の中、自らの命を絶つ。そんな自殺の仕方をしている人は多くいる。しかし、つい最近まで、このこと自体がなかなか「貧困」の問題と捉えられる回路がなかったように思う。特に若ければ若いほど、本人の「心の問題」として処理されてきた。
 生活困窮者の支援をしているNPO「自立生活サポートセンター・もやい」の湯浅誠氏は、著書『貧困襲来』(山吹害賠)の中で、「五重の排除」という概念を打ち出している。人は五重に排除を受けて「貧困」に陥るということだ。この間題は、自殺とも通じる部分が多々ある。
 まずは「教育課程からの排除」。家庭環境やいじめにより、学校からドロップアウトしてしまうことだ。最近では、授業料が払えないなどの理由での高校中退者も多い。大学全入時代と言われながらも低学歴となってしまう人々は、おのずと不安定で低賃金の仕事につきやすくなる。
 二つ目は「企業福祉からの排除」。教育課程から排除されてしまうと、なかなか正社員として就職できない。仕方なくフリーターや派遣など、非正規雇用の働き方となるわけだが、やはり給料が安く、常に失業を前提としている働き方とも言える。そんな状態なのに雇用保険にも加入できないケースが多い。病気や怪我をしたり、うつ病になれば、正社員にはある休業補償もなく、クピを切られて収入が途絶える。正社員であれば自動的に手にしているだろう「企業福祉」の恩恵をまったく受けられない。
 三つ目は「家族福祉からの排除」。不安定で収入が少なくても、実家暮らしだったらなんとかやっていける。が、親はいつか死ぬし、その資産も永遠に続くものではない。親にお金がなくなったら? 親が死んでしまったら? 親が入院して高額な医療費がかかることになったら? 或いはそもそも、頼れる親そのものが最初からいなかったら? 親から虐待を受け、命からがら逃げだしてきたような状態だったら? 親が借金漬けだったら? 守ってくれるはずの「家族」「実家」から排除されたり、頼れなくなった状態が「家族福祉からの排除」だ。
 四つ自は「公的福祉からの排除」。教育、企業福祉から排除され、頼れる親もなく残金数十円になった状態で、ある人が生活保護を受ける決心をして役所に行く。が、「努力が足りない」と追い返されてしまう。既に履歴書を買うお金も、面接を受けに行く電車賃もないのに。
 五つ目、「自分自身からの排除」。そんな状態に陥ってしまうと、結局は自分を責めてしまう。こんな自分が生きていても意味がないんじゃないか・・・。「自殺」のニ文字が頭の中をちらつき始める。
 こうして人は「貧困」に陥ると湯浅氏は書いているわけだが、この「自分自身の排除」は、まさに自殺問題と地続きだ。
 私自身、この「五重の排除」という概念をしった時、あまりにも自分の周りで自殺した人たち、そして現在自殺を考えている人たちの状況とぴったり符合して驚いた。』

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