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○1004『津軽<明朝舎>101発』

『津軽<明朝舎>101発』
著者名:村上善男 出版社:北方新社 文責 美術 木村顕彦

 津軽(青森県弘前市)に住んで美術をしていると、美術家・村上善男の存在は避けては通れない。
 一度もお逢いすることもなく、他界されたことが悔やまれる。
 大学生の頃に村上の存在を知り、彼の手による著作を何冊か読んでみた。岡本太郎についての著作『赤い兔』はじめ、東北を拠点とした現代美術家ならではの文章が印象的だった。
 だが村上の文章、いかんせんダンディズムが強すぎるせいか、説明が少ない。予備知識なしに読んでも、さっぱり内容が掴めない。例えば、人名。「橋本八百二」「澤田哲郎」「奈知安太郎」などと立て続けに書かれても、彼らがいかなる人物なのかを知らなければ文章が読み解けない(ちなみに今述べた三氏は岩手県ゆかりの画家たちである)。それは村上の著作の長所でもあり、短所でもある。長所、とするならば。読み手はその文章を読み解くために勉強をしなくてはならない。先述のように、大学生の時には理解しきれなかった村上の著作ではあるが、それから10年ほどの月日を経て同じ著作をめくる。その時に以前とはうってかわって著作を読める。これが嬉しい。
 さて、村上の「ダンディズム」と私は先述した。それを端的に示すのは、本書タイトルにある「<明朝舎>101」だ。これは一体何だろうとお思いの方もおられるだろう。この<明朝舎>とは、実は村上が執筆当時住んでいたアパートに、自分だけの呼び名として名付けたものなのである。つまり、101とは101号室ということ。
 村上は、単身赴任が長かった。住まいには他に「絆創舎」というのもある。これはその当時の住まいが「絆創膏」が必要なほどに傷だらけ(ボロボロ)だったという意味。このように、当時住んでいたただのアパートの一室に、名前をつけることで自らを演出をする。一般の人には理解しがたいかもしれない。だがそれこそが村上のダンディズムだったのだろう。ちなみに、自らの出生地・花巻市をイーハトーブと名付けた作家・宮澤賢治は、村上と同じ岩手県の出身である。
 さて、本書の内容について。私が最も印象に残ったのは「工藤哲巳を悼む」「故工藤哲巳に」の二節だ。これさえ、工藤哲巳なる人物が誰かを知らなければ理解しきれない。世界の工藤哲巳が、東京藝術大学教授就任の前のわずかな期間、津軽で生活をしていたことを記した一節は、なんとも演劇的だ。

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