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○1005『グラフィック・デザイナーの肖像』

『グラフィック・デザイナーの肖像』
著者名:平野敬子・企画・編集 出版社:新潮社 文責 美術 木村顕彦

 画家でもない。
 イラストレーターでもない。
 グラフィックデザインの世界は、私にとって盲点であった。
 本書は日本を代表するグラフィックデザイナー9名(ゲスト)に、インタビューをする形式をとっている。ちなみに、インタビュアーの側もまた、原研哉や佐藤卓ほかといった有名デザイナーたちだ。
 ここに登場するグラフィックデザイナーの9名のうち、永井一正、早川良雄、福田繁雄の三氏はイラストレーター的な仕事も残している。私は冒頭で「イラストレーターでもない」と書いたが、グラフィックデザイナーとイラストレーターの境界線は曖昧だ。文字を組むタイポグラフィの分野も、ロゴマークも、ポスター制作も全部グラフィックデザインなわけなので、その世界は広い。・・・広く、そして、ここで紹介されているグラフィックデザイン作品の多くを、どこかで見た記憶はあっても作者を知らなかったということに改めて気付く。その意味で、私が冒頭述べた「盲点」という思いが頭に浮かぶ。
 大手企業のデザイナーとして就職してから独立しているのが9名のうちの大半だが、その過程にも違いがあって面白い。また、五十嵐威暢のように、立体作品(彫刻)への興味を深める者もいる。その意味では福田繁雄も、立体作品の作家であった。本書に登場する、その福田繁雄へのインタビューの場面で印象的だった場面がある。それは、インタビュアーのタナカノリユキが、スライドで福田のアトリエの写真を見せたときのことだ(本書は、ある会場での公開インタビューを活字化したものだ。よって、多くの観客にスライドを見せながらインタビューが進行される)。スライドに映った自身のアトリエを見て福田は「ごめん。いまスライドに映っているのは、僕のアトリエ?」と
  述べたあと、「申し訳ないけど、あなた(木村註・インタビュアーのタナカノリユキ)だったら入れるけど、他の人は入れませんね。アトリエは母親の子宮みたいなところで、生命ができていくわけだから、そんなところを見せられないね。」と続ける。つまり、ここで福田は公開インタビューの場で自身のアトリエの写真が公開されたことに対する不快感を示しているのだ。不快感、と同時にこの対応は福田という一流デザイナーの、厳しい一面をも伝えている。だまし絵の手法で、遊び心溢れる作品を世に送り出した福田繁雄。だが、その制作の現場は、決して他人には見られたくない。これこそまさしくタイトルにある「グラフィック・デザイナーの肖像」であろう。

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