『18歳からの経営学』
著者名:坂口大和 出版社:集英社インターナショナル 文責 かなめ
現代社会の本質は,組織にある。会社でよくある採用基準は,新卒を採用する際には,できる限り素直な学生を取りたがるものです。個性が強くて,自己主張をする人間より会社の色に染めやすい人間のほうが扱いやすいというのが本音なのではないでしょうか。
大企業の経営者や管理職の中には「私がいなければ,うちの会社は一歩も動かない」と豪語する人が少なくありませんが,残念なことにそれは思い過ごしというものでしょう。なぜなら,もし,その人たちが病気か何かで数ヶ月,休職することになっても,その会社は潰れたりしないはずだからです。彼らが日常,どれだけ重要な任務をこなしていて,どれだけ会社に貢献していたとしても,その人たちがいなくても組織が動くものです。
組織の暴走はまず,「慣性の法則」という形で現れます。企業にしろ,官庁にしろ,組織というのは本来,外界の変化に即応して,自分の行動も変化させていかねば目的を達成できません。ところが組織内部の論理が優先されるようになると,いつしか環境の変化が無視・軽視され,あたかも巨大な岩がどんな障害物をも乗り越えて転がるように,慣性のままに,つまり惰性で組織が運営されるようにする。もっと分かりやすく言うならば,前例こそが大事という組織になってしまうのです。
①慣性の法則: 成功体験への埋没・前例主義
②手段の目的化: 目的を達成する手段そのものが目的になる
③逆機能: 本来の目的とは正反対の目的を追求する
④自己遂行能力の喪失:組織本来の能力を失い,外部に仕事を委託するようになる。
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