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●0121●『海と毒薬』

『海と毒薬』
著者名:遠藤周作 出版社:角川文庫 文責 かなめ 

 腕は確かだが、無愛想で一風変わった中年の町医者、勝呂。彼には、大学病院の研究生時代、外国人捕虜の生体解剖実験に関わった、忌まわしい過去があった。病院内での権力闘争と戦争を口実に、生きたままの人間を解剖したのだ。この前代未聞の事件を起こした人々の苦悩を淡淡と綴った本書は、あらためて人間の罪責意識を深く、鮮烈に問いかける衝撃の名作である。

 もと九州大学医学部解剖学主任教授の平光吾一は,昭和32年12月の「文藝春秋」に「戦争医学の汚辱にふれて」という文書を発表した。「生体解剖事件始末記」と傍題されているように,その文章はいわゆる九大生体解剖事件の真相を書いたものだが,平光は冒頭に,「文学界」誌上に発表された遠藤周作氏の『海と毒薬』という小説を読んだ時,私は全く自分等の古い傷跡を抉られたような心境だったーと書いている。つまり,生体解剖事件の連累者のひとりだった平光吾一は,遠藤周作の『海と毒薬』をよんで,その背景となった生体解剖事件の真相を,改めて書きとめておこうと思いたったらしい。
 ここに遠藤周作の『海と毒薬』という長篇が書かれねばならなかったひとつのモティーフがある。異常な状況における異常な事件だったとはいえ,もし人命尊重はなにものにも優先するという観念がもっと一般化していたら,生体解剖というまがまがしい事件もおこらなかったかもしれぬ,そこに日本人全体の罪責意識にかかわるひとつの問題があるのではないか,と作者は考えたようである。したがって,作者は生体解剖事件という実際の出来事を背景としながら,できるだけ作品自体を現実の事件とはちがった次元のもとにつくりあげたのである。

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