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東奥義塾高等学校 公式ブログ

○1079『清澄界隈』

『清澄界隈』
著者名:クサナギシンペイ 出版社:求龍堂 文責 美術 木村顕彦

 私は、花の絵に感動したことがない。
 ゴッホの『ひまわり』も、星野富弘による花も、三岸節子や中川一政、梅原龍三郎によるそれも。「あー、花ですか。」その程度の感慨しかわかない。強いて言えば松田正平や香月泰男による花くらいか。だがそれにしても同じ画家による他のモチーフの絵の方が好きだ。
 前置きが長くなったが、そこで本書だ。
 本書はクサナギシンペイの画文集だ。カバーには赤い花の絵(花の名前を間違えたら恥ずかしいので、ここでは単に「赤い花」とだけ記す)。いままで、花の絵に感動したことのなかった私の心が、はじめて動いた。
 カバー絵以外にも、花の絵は本書に多数収録されている。タンポポ、コスモス、あじさい、アサガオ、さくら。短冊のついた笹の葉の絵もある。どれもがいい。清澄を描いた風景画もあるが、それも全ていい。このクサナギシンペイなる画家はタダ者ではないと直感する(求龍堂から画文集が出版されている時点でタダ者であるはずがないのだが)。
 クサナギの絵の魅力。それは絵画的でもあってイラスト的でもあって、しかも写真的でもあるという画風だ。どっちつかずという意味ではない。全てが融合されていて心地いいのだ。ベニヤ板にアクリル絵具で描かれているのだろう、板の木目が画面にリズムをつくる。ありふれたモチーフを描いて、ここまで人の心を動かすとは。絵画、それも具象絵画、風景画もまだまだ捨てたものではないと熱くなる。
 さて、本書に収録されている作品の多くは、宮本輝の小説『水のかたち』の雑誌連載時の挿絵のようだ。「清澄白河」(東京都)を舞台にしたその小説に併せ、本書タイトル通り清澄界隈をスケッチして歩いたのだろう。都会ではない東京が、ここにある。
 小説『水のかたち』は上下巻の単行本となっている。だが、そのカバーを飾るのは宮本輝お気に入り(?)の画家・有元利夫による陶人形オブジェ。クサナギの絵ではない。有元もいいのだが、単行本でもクサナギの存在を前に出して欲しかった・・・(有元は既に伝説の画家なのだから。)

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