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○1080『虚実亭日乗』

『虚実亭日乗』
著者名:森達也 出版社:紀伊国屋書店 文責 美術 木村顕彦

 本書著者は、オウム真理教信者を追ったドキュメンタリー映画『A』の監督で知られる森達也だ。
 本書は、緑川南京という人物を主人公にした小説である。が、読んでいくと、主人公のモデルとなっているのは著者の森であることは容易に想像できる。本書を読めば森達也という人物のことをよく知ることができるはずだ。
 巻末ページには次のような記述がある。「この書籍に書かれたことは、すべて100%一字一句残さず真実です。(一行あけて)2012ねん11月28日 緑川南京」これが369ページ目の言葉。
 そう書いてあり、大体の予測はつき、ページをめくる。370ページ目にはたった一行。「この作品はフィクションです。」
 ここに森達也のスタンスがある。フィクションとノンフィクションの境界などないのではないか?中立の立場でドキュメンタリーを撮ることは不可能だ。などなど。そういったスタンスを森は一貫して活動している。
 私は本書を、書店で何気なく手に取る。
 ペラペラとページをめくったとき、不意に「佐藤真」の名前が飛び込んできた。佐藤真は、遅ればせながら最近私が知ったドキュメンタリー映像作家だ。佐藤は49歳で亡くなったが、その死因が自殺であったことは、本書で知った。ともあれ、自分の興味のあるジャンル(今の話で言えば佐藤真について)について、偶然手に取った本に書かれていることはよくある。本当に不思議なのだが、読書を日常的にしている人ならば誰もが体験しているはずだ。そして、そうなってくると読書は楽しくなってくる。
 本書の内容面について、他に印象的だったのは死刑制度についての記述、そして討論番組で歌手の三上寛が突然歌い出して場の空気を一変させたエピソードだ。三上寛ってやっぱりスゴイのかと感心しながら読み進めるが、ラスト近くに突然リンゴ・スターとダリが登場する。え?あ、やっぱりこれはフィクションなんだと感じる。だが、そうなってくると今度は三上寛が本当に討論番組で歌ったのかが疑わしくなってくる。・・・とはいえ、全体の中にあるフィクションに、森達也の、のっぴきならない真実が隠れているのだろう。不思議な一冊だ。 

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