『北原照久 夢をかなえる授業』
著者名:北原照久・久保ひろし 出版社:ごう書房 文責 美術 木村顕彦
本書は、テレビ『なんでも鑑定団』でおなじみのおもちゃコレクター・北原照久と、コンサルタントの久保ひろしによる対談形式の共著だ。
本書では、テレビでの笑顔とは一味ちがった北原の、偽らざる本音が語られている。特に、「毎月30万円ずつ2年4ヶ月支払って得た」コレクションのエピソードや、コレクションを保管するために「倉庫代に何億円支払ってきたことか!」と語られた言葉から、コレクターを実際に続けていくことの困難さがよく伝わってきた。だが、それさえも北原は「100の苦しみと101の喜び」と形容している。どこまでも前向きに生きているその姿勢に頭が下がる。
また、「横浜教師塾」塾長を勤めたこともある北原が、教育について語った意外な言葉も印象深かった。それは次のようなものだ。
「子どもたちに教えるときは、教壇から、一段上から教えなさい。上から目線でないと尊敬されないから。」
コレクション道について学ぶつもりで手に取った本書から、思いがけず教育論を学ぶとは。それもまた読書の醍醐味だ。
くわえて、本書では、重要な箇所は太字の字体になっているので、そこだけを拾い読みしてから、自分の興味のある部分を読み進めてもいいかもしれない。ちなみに、私が本書で最も印象に残った太字の言葉は、久保ひろしが北原照久を形容した「北原さんという人は、いつも笑いたくて笑っているわけではなくて、笑うしかないから、笑って突き抜けてきた人だ。」というものである。
テレビを見ていて、「北原さんって、楽しそうで、最高の人生だろうなー」と思っている人に、是非読んでいただきたい一冊だ。
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