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〇1260『モネ、ゴッホ、ピカソも治療した絵のお医者さん 修復家・岩井希久子の仕事』〇

『モネ、ゴッホ、ピカソも治療した絵のお医者さん 修復家・岩井希久子の仕事』
著者名:岩井希久子 出版社:美術出版社 文責 美術 木村顕彦


岩井希久子(1955~)。絵画修復家。
 2010年、テレビ番組『プロフェッショナル 仕事の流儀』(NHK)において、彼女の仕事が大々的に紹介された。
 本書は、その岩井のこれまでの仕事をまとめたものであり、かつ、彼女の絵画修復に対する想いが詰まった一冊である。
 本書を読んで、まず驚いたことがある。それは、彼女が油絵のみならず、セル画や貼り絵まで修復したことがあるということだ。ちなみにセル画とは、セルロイドに描かれたアニメーション用の画である。岩井が修復したというセル画は、なんとアニメーションの最高峰・ディズニーのセル画だという。千葉大学が保管していたが、カビにまみれていたそのディズニーのセル画の修復。岩井はその困難な仕事を成し遂げる。また、貼り絵ついては、裸の大将として知られる画家・山下清作品の修復も岩井の仕事であるようだ。山下清の作品は、ベニヤ板の上に紙が色紙(いろがみ)が貼られている。そのいろがみの褪色も深刻だが、それ以上に問題なのは、「使われている接着剤によって非常に酸性が強い素材」であるベニヤ板の存在だ。岩井は、いろがみをベニヤからはがして「中性パネルに張り替えるという大きな決断」をする。・・・ちょっとやそっとの根気では出来ない仕事だ。
 酸性のベニヤ板が画に与える悪影響については、山下清作品についての記述のみならず、「絵を購入したときなど、『タトウ』という箱に入れられている場合もありますが、この箱がもしベニヤ板でできていたなら、箱から出して中性の段ボールなどに入れ替えておくとよいと思います。」という記述からも読み取れる(箱くらいいいだろう、と感じる読者もいるはずだ)。だが、それを考え始めると、ベニヤ板に直接画を描いている方もあまたいる事実も知っている私としては、複雑だ(画って、なんだろう)。
 それからもう一つ、本書のタイトル。これが気になる。「モネ、ゴッホ、ピカソも治療した絵のお医者さん」って。誰でも知っている有名画家3人の名前を冠しないと、美術系の書籍が手に取られることがないというのがよく伝わってくる。だが、有名な画家の高価な作品を修復しているから岩井が有名なわけではない。彼女は、どんな画に対してでも、全力で修復に挑む。その事は本書を読んでいただけたらわかるはずだ。



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