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〇1278『リトル・ニモの野望』〇

『リトル・ニモの野望』
著者名:大塚康生 出版社:徳間書店 文責 美術 木村顕彦

 『ニモ』というアニメーション作品がある。
 そういうと、多くの人が「あー、ピクサーの『ファインディング・ニモ』ねー」と返答するはずだ。
 だが、そうではない。私が冒頭で述べたのは、ウィンザー・マッケイのマンガ『リトル・ニモ』を原作としたアニメーション映画『ニモNEMO』(1989年公開)のことだ。
 私は1年程前に、マッケイの『リトル・ニモ』を知り、その作品に対する興味から色々調べていくうちに、本書にたどり着いた。
 著者は、大塚康生(1931-)。日本を代表するアニメーターで、宮崎駿や高畑勲を陰で支えてきた人物である。
 大塚には『作画汗まみれ』(徳間書店・刊)という名著がある。その著作の第9章が『リトル・ニモ』顛末記という章である。20ページほどの記述だ。
 そして本書は、その「『リトル・ニモ』顛末記」(『作画汗まみれ』第9章)の内容を、さらに詳しく1冊にまとめた(200ページほど)ものといえる。
 本書の主役は、東京ムービーのプロデューサー・藤岡豊である。彼が、アニメ創世記をどう生き抜き、そして『ニモ』というアニメーション作品製作のプロジェクトを立ち上げる過程が、本書では克明に綴られている。
 映画『ニモ』の特徴は、日米合作という点である。だが、その実現は困難を極めた。端的に言えば、日本とアメリカでは、アニメーションの製作方法・演出方法がまるで違っていたのである。
 しかしながら映画『ニモ』は、何度かの逡巡の果てに、確かに日本で公開された。だが、どれほどの人がその作品を知っているだろうか?このままでは藤岡豊の存在と彼の挑戦が忘れ去られてしまう。大塚はそう考え、本書の執筆を決めた。
 本書の中には、何人もの有名人の名前が登場する。宮崎駿、高畑勲、メビウス、果てはジョージ・ルーカスまで出てくる。その中でも、私がここで紹介したいのは近藤喜文というアニメーターの存在だ。
 製作資金が底を尽き、『ニモ』のプロジェクトは「3年以上の長い中断」に入ったときのことだ。多くのスタッフが、『ニモ』公開をあきらめていたその時に、近藤喜文は水面下で絵コンテを描き、何百枚ものボード(イメージ画)を描いていたという。本書でもその画像の一部が掲載されているので、是非見ていただきたい。
 近藤喜文という人物は、アニメーションに詳しい方ならピンとくるはずだ。映画『耳をすませば』の監督である。彼はその初監督作品からわずか3年後、47歳で病死する。過酷な仕事の連続だったのだろう。
 本書はアニメファン以外の方にも是非読んでいただきたい一冊だ。


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