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〇1279『絵本 遠野物語』〇

『絵本 遠野物語』
著者名:勝又進 出版社:高文研 文責 美術 木村顕彦

 『遠野物語』。民俗学者・柳田国男が、佐々木喜善から訊いた遠野の民話をまとめたものだ。
 そして本書は、その『遠野物語』を絵本にしたものである。
 著者は、勝又進(1943-2007)。漫画家。『かっぱ郎』(1969年)のような民話的な作風が有名だが、『深海魚』(1984年)という作品のように、原発作業員の過酷な労働実態を描いた短編も手掛けた。再評価の気運高まる中、彼は亡くなった。
 彼の死後発刊された単行本『深海魚』(2011年・刊)に、斧田小という人物による巻末解説が掲載されている。その文章の中に本書『絵本 遠野物語』に関する記述が見られるのでここに引用する。
 「81年、高文研の梅田から依頼を受け、勝又は『考える高校生』に『遠野物語』をイラスト化した連載を手掛けている。梅田はこの連載を、原作の単なる絵解きではく、『勝又進の遠野物語』として描くよう希望した。」
 その「希望」通り、確かに本書では、柳田の文章の引用のみならず、勝又も本文に自身の思いを載せている。当然「絵本」であるから、絵からも勝又の『遠野物語』を読み取ることができる。また、先述の斧田の文章からもわかるように、本書は『考える高校生』という雑誌に掲載したものを「絵本」としてまとめたものであるから、単に子ども(幼年)向けにつくられたそれではなさそうだ。
 ちなみに本書刊行は1983年だ。だが実はその頃の勝又は「かつての土俗的な作品を描くことはほとんどなくなった」(斧田小)という。その頃に、彼は民話の代表格『遠野物語』を絵本にした。それは一体何を意味するのだろうか?
 「80年代以降、勝又の活動のベースとしてあったのは、生命の尊厳を踏みにじるものに対する静かな怒りと、抗議の意思表明であった。」(斧田小)そうだとするならば、本書『絵本 遠野物語』は、やはり「原作の単なる絵解き」ではない側面を持っていることになる。
 勝又漫画の再評価を、さらに高めるためにも、多くの人に読んでいただきたい一冊だ。 



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