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〇1290『ニュースキャスター』〇

『ニュースキャスター』
著者名:大越健介 出版社:文藝春秋 文責 美術 木村顕彦

 本書は文春新書の一冊である。
 著者は大越健介。名前は知らずとも、顔を見たら多くの人があー、あの人というはず。『NHK ニュースウォッチ9』のキャスターである(2010年3月~)。その大越が、自らの人生について語り、そして自らが携わったニュースに対する思いをまとめたのが本書だ。
 さて、ニュースというのは、情報を伝えるものである。その理屈から言えば、あまたあるどのニュース番組も等価値なはずだ。だが実際は、自分はどのニュース番組が何となく好きだ、という好き嫌いがある。では、その好き嫌いは何から発するのか?それはやはり、ニュースキャスター(女子アナを含めて)の魅力ではないだろうか。
 と、ここまで書くと、私はさも大越キャスターが好きで本書を手に取ったと思われるだろう。だがそうではない。ただ何気なく手に取った本の作者が大越キャスターだというだけだ。何より意外だったのは、NHKのキャスター(いうなればNHKの社員)が文春新書の本を書いていることだ。ちなみに大越は『向き合う仕事』という著書も書いている。
 本書を読んでから、私は大越が好きになった。ニュースウォッチ9はいつも観ているわけではないから、私はその魅力(番組の魅力と、大越の魅力)を十分に理解していなかった。というか大越の隣にいる井上あさひキャスターばかりを観ていた!(だが、なぜか2013年8月から井上キャスターから久保田キャスターにメンバーチェンジ)
 それは半分(!)冗談として、本書だ。
 本書全体で250ページほどあるうち、半分ほどは「ニュースウォッチ9」公式ホームページに毎週掲載されているコラムの再録だ。このコラムの内容がまたいい。大越の人間性が、テレビ(映像)以上ににじみ出ている内容なのである。文章力が優れているのは、NHKの社員だから当然かと思いきや、確かな裏付けがある。大越はもともとキャスターではなく、放送記者だったのだ。そう知って納得。小論文の書き方の参考にもなりそうな一冊だ。 



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