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〇1301『焼け跡に海風が吹いていた』〇

『焼け跡に海風が吹いていた』
著者名:菊畑茂久馬 出版社:葦書房 文責 美術 木村顕彦

 九州福岡市を拠点に活動を続ける芸術家・菊畑茂久馬(1935-)。本書の著者である。
 本書副題は「僕のはかた日記」。そしてタイトルにある「焼け跡」という言葉からわかるように、本書のテーマは、戦後の博多の変遷だ。タケノコ生活、闇市、リンタク・・・誰かが記しておかなくては、忘れ去られてしまう戦後復興の事象を、菊畑は本書で絵と文章によって記している。
 戦後復興をテーマにしながら、本書での絵と文章は明るい。タイトルにある「海風」とは、そのような明るさを示しているのかもしれない。
 菊畑は、画家の中でも論客として知られている。戦争画についての論考をまとめた著作も数冊ある。
 そして、絵の方はといえば、土着的な魅力をかもし出した色彩が魅力的だ。
 だが、本書での絵と文章は、まったくそれらとは違ったものなのである。本書での絵は、マンガチックな挿絵といえる。菊畑茂久馬って、こんなにかわいらしい絵を描く人なのかという驚きを覚える。そして文章は論考ではなく、平易な言葉で思い出を綴ったものだ。それらの点で言えば、本書は菊畑の著作としては異色作中の異色作である。 
 通読してみて、特に笑ったのは「免許試験場」の項だ。この項では、戦後の福岡市での運転免許試験の思い出が綴られている。その当時は「おまわりさんが出張して試験をして」いたという。少し引用してみる。
 「(略)ぼくも時代に乗り遅れてはいけないと思い、オートバイの免許を昭和三十年に取りました。(改行)近くの派出所で申し込むと、何月何日大濠の広場に来い、とはがきがきます。行きますと、おまわりさんが地面にワラ縄をせっせと五寸クギで打ち込んで、コースを作っているのです。それがテキトーなんです。博多弁で言うとオーマンなんです。(改行)試験車はありませんので、自分で持って来た車で受けるのです。自分で持って来るということは、乗って来るということですから、すると免許はありませんから、ええと・・・、なにしろオートバイは自前なんです。」
 どうだろう。この描写から読み取れるおおらかな時代。



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