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〇1313『尊厳の芸術 強制収容所で紡がれた日本の心』〇

『尊厳の芸術 強制収容所で紡がれた日本の心』

著者名:デルフィン・ヒラスナ著・国谷裕子・監訳 出版社:NHK出版 

文責 美術 木村顕彦
 本書は、2012年11月から2013年9月にかけて、東京、福島、仙台、沖縄、広島にて開催された展覧会『尊厳の芸術』展のカタログを書籍化したものである。カタログの書籍化、といっても本書が刊行されたのは2013年5月である。展示の巡回が始まってから半年を経てのカタログ書籍刊行というのは異例だ。おそらく、展示の反響の大きさから本書の刊行を決まったのではないだろうか(または、単に刊行が遅れただけか)。
 『尊厳の芸術』展。この展覧会は、アーティストによって制作された作品を展示したものではない。
 本書副題には「強制収容所で紡がれた日本の心」とある。
 本書に図版収録されている作品は、戦時中、アメリカに住んでいた日系人たちが強制収容所の中で制作したものなのだ。
 本書によると、収容所に入れられた日系人の数は「およそ12万人」で「収容された人の3分の2はアメリカ生まれでアメリカ国籍を持ち、大半は日本語の読み書きが出来ず、日本に行ったことも」なかったという。
 そうした理不尽極まりない収容所生活の中で、日系人たちは、ものを作る。・・・この「もの」というのがスゴすぎるのだ。
 鳥のブローチやカゴ、椅子、杖に始まり、表札、ハサミ、ナイフ・・・。彼らはそれらをすべて廃材からつくった。
 ナイフをつくる?鍛冶職人でもないのにそんな事が可能なのか、と思われるかもしれないが、実物がものが残っているのだからこれ以上の説得力はない。本書によると「うち捨てられた動物の罠を集め」「ボイラーの火で集めた金属を柔らかくし、たたいてナイフの刃にしました」とある。
 この展覧会開催のきっかけは『クローズアップ現代』というNHKの30分番組だった。番組は、収容所の存在と、そこで日系人がつくったものを紹介し、大きな反響を生んだ。とはいえ、わずか30分の番組の反響で展示が開催されるのだから、テレビの力は大きい。そして展示開催後は美術番組『日曜美術館』(Eテレ)が東京での展示の様子を伝え、この展示はさらに話題を呼んだ。
 そして私は、仙台での巡回展を鑑賞した。私は美術教師であるが、なんだかもう「美術を生徒に教えてます」と、人に言うのが恥ずかしくなるくらいにこの展覧会に圧倒された。
 さて、展示の巡回がおわった今、『尊厳の芸術』展や戦時中の日系人収容所の実態を誰かに伝えるためには、本書の存在は欠かせない。
 本書は、東奥義塾高校図書館でも貸し出しを開始したので、是非多くの人、特に若い世代に多く読んでいただきたい。

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036-8124               青森県弘前市石川長者森61-1  東奥義塾高等学校 TEL:0172-92-4111 FAX:0172-92-4116

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