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〇1341『はだしのゲン自伝』〇

『はだしのゲン自伝』
著者名:中沢啓治 出版社:教育史料出版会 文責 美術 木村顕彦

 
原爆の恐ろしさを漫画で表現した名作『はだしのゲン』。
 その漫画『はだしのゲン』の作者・中沢啓治の自伝が本書である。
 中沢は、漫画でのゲン同様、小学生の時に広島で原爆に遭い、被爆している。
 彼の創作の源は、間違いなく怒りであった。
 本書の記述からは、中沢の怒りがみなぎっている。
 原爆に対する怒り、アメリカへの怒り、そして軍国主義への怒り・・・。
 『はだしのゲン』の読者であるならば、ある意味でそれらは想像ができる。だからというわけではないが、本書における原爆に関する記述についてはあえてここで書評はしない。
 原爆についてではない箇所で特に私が本書で私が興味深く読んだのは、漫画家を志す辺りのエピソードだ。
 まず、1947年の、手塚治虫の漫画との出会いの記述から。本書によると中沢は「鉄屑を拾っては、金を貯め、手塚作品を必死で探し、買い揃えた」という。後に漫画家となる者たちが、そのような苦労の果てに手塚の漫画を集めた例は、他にもよく聞く。例えば、杉皮背負いのアルバイトをしてお金を集めて手塚漫画を求めた矢口高雄(漫画『ボクの手塚治虫』より)や、金持ちの同級生とメンコの勝負をして手塚漫画を求めた永島慎二(漫画『花いちもんめ』より)がそれに当たる。そういったエピソードを目にするたびに、彼らにとって手塚治虫という存在がいかに大きかったかを考えてしまう。労働の果てに手にしたものに対する思い出は強い。
 また、中沢が上京してアシスタントとなったという「K漫画家」とは誰なのかということが、下世話ながらとても気になった。
 本書では、K漫画家について次のような記述がある。
 「(略)私にストーリーをつくらせ、おまけに下描きの絵まで描かせて自分の名前で何本も作品を発表し、ちゃっかり稼ぎまくる、ずる賢いK漫画家には愛想がつきていた。」
 ・・・そう書かれると気になるだろう、K漫画家とは誰なのかが。
 と、ここで、以前この書評にも登場した『はだしのゲン わたしの遺言』(中沢啓治著・朝日学生新聞社刊)の存在を思い出す。それは本書同様、中沢の自伝で、タイトル通り、中沢の遺言と言える内容の著作だ。その『はだしのゲン わたしの遺言』には次のようにある。
 「(略)その人が、ぼくが初めてアシスタントとしてついた、一峰大二という漫画家でした。」
 ・・・って、こちらの本ではかずみね(K)だいじセンセイの名前を、出してますが。まさに遺言!中沢の怒りの矛先は、原爆に留まらないのであった・・・。
 


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