ToO Gijuku Topics(東奥義塾)
東奥義塾高等学校 公式ブログ

〇1373『女性画家 10の叫び』〇

『女性画家 10の叫び』
著者名:堀尾真紀子 出版社:岩波書店 文責 美術 木村顕彦 

 本書は岩波ジュニア新書の一冊である。著者の堀尾真紀子は、フリーダ・カーロや桂ゆきといった女性画家に関する評伝や研究書を多く書いている。本書もその流れの一つで、女性画家10名についてまとめた美術入門書だ。10名のラインナップとしては、先に挙げた2名のほか、小倉遊亀、三岸節子、いわさきちひろ、メアリ・カサット、マリー・ローランサン、レメディオス・バロ、ニキ・ド・サンファル、ケーテ・コルヴィッツである。いずれも女性画家の先駆者として、苦しい時代の地平を切り拓いた面々だ。
 通読して特徴的だったのは、小倉やケーテが息子を亡くしていたり、三岸やちひろが伴侶を亡くしたりといった経験をしている点だった(ちひろに関しては、望まない最初の結婚で、苦悩の中その夫が自殺をしたというケースだが)。加えて、10名全員に共通しているのは、やはり女性ということでの家庭と画業の両立の問題だ。その点については、たとえ美術に関心がない人が本書を読んだとしても、女性であれば共感や同情を覚える箇所がきっとあるはずである。
 また、先述のケーテ・コルヴィッツが、晩年に苦境に立たされたというのは本書で初めて知った。彼女の苦境とは次のようなものだ。本書によると、ドイツの画家であるケーテは、「ナチスへの入党をこばんだため、ヒトラーから芸術院会員の地位を追われ、画家としての芸術的活動を禁じられ」、「彼女の生命であった制作の自由は、以後78歳の彼女の死まで12年間にわたり奪われた」というのである。せっかく78歳まで生きたのに、その貴重な晩年になんという無念な時間の過ごし方をしたのだろう。
 さて、本書は2013年刊だが、堀尾には別に『鏡の中の女たち』(文化出版局)という2002年刊の著作がある。その著作は、「女性画家の自画像」をテーマにした一冊で、ラインナップとして挙げられている女性は、本書とほぼ同じ。モンパルナスのキキ、レンピッカ、グランマ・モーゼスは本書では取り上げられていないが、そのかわりにケーテが本書で紹介されている、その程度のラインナップの違いである。さて、そしてその本文を読み比べてみると、両者で重複している箇所が多数あることに気付く。本書は、ジュニア新書ということもあり、より若い世代にも読みやすいような表現になっているので、その辺りも読み比べてみたら面白いかもしれない。

最新記事
学校所在地
036-8124               青森県弘前市石川長者森61-1  東奥義塾高等学校 TEL:0172-92-4111 FAX:0172-92-4116

東奥義塾

Author:東奥義塾

AKB48の渡辺麻友の3rdシングル特典DVDに本校制服が!!

この公式ブログが「あおもりICTコンテスト2010(学校Webサイト部門)」で「最優秀賞」!!

東奥義塾個人情報保護方針→こちら

カレンダー
プルダウン 降順 昇順 年別

07月 | 2017年08月 | 09月
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -