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〇1465『アニメーション、折りにふれて』〇

『アニメーション、折りにふれて』
著者名:高畑勲 出版社:岩波書店 文責 美術 木村顕彦

 高畑勲(1935-)。アニメーション監督。2013年、久しぶりの新作『かぐや姫の物語』が大きな話題となった人物である。本書は、その高畑のエッセイ集だ。彼は、東京大学卒のインテリとして知られる。理詰めでものを考える。アニメーション監督とは言っても、ほとんど画を描くわけではなく、シーンの間や動き、そしてイメージをスタッフに伝えるという演出方法を取っている。彼の武器は、言葉だ。知識だ。彼のエッセンスが、本書には詰まっている。
 日本の絵巻とアニメーションに関する考察。ジョン・ラセターやフレデリック・バックといった海外のアニメーターへの想い。いわさきちひろや、アニメーション背景画家・山本二三についてのメッセージ。それらの多くは雑誌や画集への寄稿である。
 スタジオジブリファンが楽しめる一冊、といいたいところだが、本書本文には一切絵がない。すべて文章。その点では取っ付きにくいかもしれないが、読んでみると興味深い話や、納得させられる話がいくつもある。
 特に私が面白く読んだのは、高畑が自身の監督映画『火垂るの墓』について述べている文章(初出は、1992年に母校・岡山朝日高校に寄せた文章)だ。
 映画『火垂るの墓』は多くの人が観ているはずだ。私も観た。
 この映画は、かなり哀しく、切ない。健気な兄妹。戦争の悲惨さが伝わってくる。泣ける。多くの人の感想はそんなところだろうか(身も蓋もない言い方をすると)。まあ、私もそんな感想を持っていた。
 ところが、本書に書かれている、『火垂るの墓』をつくろうと思った「動機」を読んで驚いた。引用する。
 「(略)『火垂るの墓』という映画を作ろうと思った動機の一つに、十四才の主人公、清太少年の気持ちや考え方が、現代の若者や子供と驚くほどよく似ている、ということがありました。」
 以下、長いため省略するので、続きは実際に本書を読んでいただきたい。しかし、いかがであろう。あの苦しい戦後を生き抜いた兄妹(・・・まあ、実際には生き抜くことができず、死んだわけだが)と、現代の子供とどこが似ているというのか。この一文を読んだだけでは疑問に思われるはずだ。だが、この後に続く高畑の論述に、私はまんまと言いくるめられてしまう。と、同時に私が思ったのは、ここで高畑が述べているような「動機」で映画『火垂るの墓』が制作されたのだとしたら、多くの人がこの作品(映画『火垂るの墓』)を誤解して鑑賞しているのではないか、ということだ。ぜひご一読を。

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036-8124               青森県弘前市石川長者森61-1  東奥義塾高等学校 TEL:0172-92-4111 FAX:0172-92-4116

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