『アーサーの言の葉食堂』
著者名:アーサー・ビナード 出版社:アルク
文責 国語 坂本幸博
著者は高校生の頃から詩作を始め、大学卒業後に来日し、日本語でも詩作を始め、翻訳も行っている多才な人物である。その作品は言語感覚に優れ、読み手をうならせるものばかりである。日本人以上に「美しい」日本語を描き出しているといえる。
2013年末、私は著者に青森市で直接お会いする機会を得た。ある茶葉店の店長さんからの紹介である。当該図書もサイン入りで頂戴した。実際に話してみると、多角的な視野を持ちさまざまな分野に関して、一家言を持っていることが言葉の端々から感じられた。
著者のような人物とは話すだけでワクワクし、心躍るものである。今でも評価はされている人物であろうが、もっと評価されてしかるべきであると考える。さらに活躍の場を広げてくれると、我々日本人が客観的に「日本語」を考える機会が与えられると思う。
当該図書は目次を見ているだけでも楽しい。一つ一つのタイトルが非常に細かいところまで考えられており、諷刺やパンチが効いているのである。「噛めば噛むほどにジャーキー」「ら抜き蒟蒻の乱れ?」「辻違い」「力だまし」「メリー・キャッシュマス」などなど。
これらの内容はタイトル以上に深いものが込められており、読み手をうならせるものばかりである。知的な思考思索を求める方には必読の書である。