『凡人として生きるということ』
著者名:押井守 出版社:幻冬舎新書 文責 かなめ
世の中は95%の凡人と5%の支配層で構成されている。が、5%のために世の中はあるわけではない。平凡な人々の日々の営みが社会であり経済なのだ。しかし、その社会には支配層が流す「若さこそ価値がある」「友情は無欲なものだ」といったさまざまな“嘘”が“常識”としてまかり通っている。嘘を見抜けるかどうかで僕たちは自由な凡人にも不自由な凡人にもなる。
「現実には人は年を取り,青春は失われる。だからこそ人は,それを惜しむ。青春はいつか記憶の中だけできらめく,過去の遠い思い出になる。そうなって初めて,人は失った若さがかけがえのないものだったと思う。つまり,若さの価値とは,記憶の中だけにある幻影のようなものでしかない。」
「砂漠の真ん中で「オレは自由だ」と叫んだところで,さて何ができる?何もできるはずがない。他人の人生との関わりを拒絶し,誰とも会話せず,コンビニの食事とレンタルビデオに明け暮れる人生もいいだろう。だが,それは断じて自由な人生ではない。僕に言わせれば,それほど不自由な生き方はない。
自由とは「生き方の幅」と,とらえ直してもいいかもしれない。人間,幅がある方が自由に決まっている。」
「勝負を続けている限りは,負けは確定しない。勝ったり負けたりしながら,人生は続いていく。ただ,勝負を続けていくうちにだんだん勝負勘はついてくるし,くだらない失敗はしなくなってくる。スキルが上がってくるからだ。」
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