『甲子園だけが高校野球ではない』
著者名:岩崎夏海 出版社:廣済堂出版 文責 国語 坂本幸博
学校の部活動の目的は何であろうか。大会で試合をする部活動は勝つことであろうか。作品を出品する部活動は賞を受けることであろうか。
部活動は「プロフェッショナル」を目指すものではないと考える。飽くまで「学校教育」の一部であり、教育活動なのである。そうだとすれば、勝ち負けにこだわるのではなく、そこにおいて、どれだけ生徒が成長したかということが問われる場なのである。当該図書には、野球というスポーツを通じて成長していく「人間」の姿が描かれている。物事に真剣に取り組む人間の周囲には、常に「ドラマ」が存在する。そうした「ドラマ」に接することで人は成長するのである。
私はこれまで、物事には諦めずに取り組むべきだと考えていた。しかし、今回の読書で「諦めることで開ける可能性がある」ということに気づくことができた。あるマネージャーの女子生徒の話で、そのことが語られている。興味を持った人はぜひ当該図書を繙き、その「ドラマ」に触れてみてほしい。
私はこの本をある生徒に勧められて読んだ。その生徒は高校野球と人を応援することが大好きである。いつもほがらかで温かく、一緒にいて安心できる存在であるため、周囲から人の絶えることがない。そうしたすばらしい点を大切にし、高校生活を満喫してほしいものである。良書を紹介してくれたことに感謝するばかりである。
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