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○1635『本能寺の変431年目の真実』○

『本能寺の変431年目の真実』
著者名:明智憲三郎 出版社:文芸社文庫
文責:地理歴史 古川 武

 明智光秀が主君・織田信長を暗殺した本能寺の変。今日でもこの真相にせまる取り組みは盛んに行われているが、近年発表された説に長宗我部元親が関与していたとするものがある。その一つとして数えられるのが本書『本能寺の変431年目の真実』である。
 長宗我部元親とは、四国の土佐国(現:高知県)の戦国大名である。幼少期は内気な性格で男らしくないことから姫若子と呼ばれていた。初陣も遅く22歳であった。しかし、いざ戦に出ると器用な戦い方をみせ、あっという間に土佐一国を平定したので『土佐の出来人』と称されるようになる。
 本書では織田信長が長宗我部氏との同盟を破り、明智光秀の外交政策(土岐氏再興計画?)は頓挫し、本能寺の変に至ったというような説を展開している。本書のおもしろいところは歴史捜査という形をとった徹底した歴史検証にある。私は「歴史は真実(真相)を明らかにし、それらを基に未来を模索する学問」だと思う。真実(真相)でなければリアルな人間の心理や思想などが推察できるわけもなく、未来を考えることはできない。さらに私が考えるように「本当の日本人」を探ろうとしている者にとって、真実が見えなければ昔の本当の日本人を再現できない。
 皆さんは歴史を学習していて教科書に書いてあることが当然のように真実だと思い込んではいないだろうか。歴史書は、時の権力者によって改ざんされ、戦争の勝利者によってねつ造され、政府の正統性を証明するために作られるものなのである。また、世の中には多くの時代小説がある。江戸時代には歌舞伎や子ども向けの絵本、明治以降では大陸での戦争を正当化するために歴史上の人物をヒーロー化、戦後は歴史の美談を小説やドラマにすることで、たくさんの人が歴史に興味をもち、各地に観光客を呼び込んできた。しかし、これらは真実ではない。したがって、小説やドラマで得られる歴史的知識は歴史検証の材料にすらならない。もし、歴史の真実を知ろうとするのであれば通常次のような検証が必要だと考える。
 1.考察に使用した史料の信憑性の検証
 2.歴史書が書かれた時代背景の検証
  3.歴史書を書いた作者の素性や立場の検証
  4.現在の歴史学者の説がどのような史料を基にたてられたのかを検証
などがあげられるだろう。実際、人が得た情報というのは曖昧で真実と違う場合がある。現在でも雑誌や新聞の記事が後になってウソだったと謝罪会見をしているのをみかける。歴史書はまず、誰がどのように情報を入手し、当時の常識や政治的意図が隠されていないか、小説などを基にしたフィクションではないか、推測の根拠が正確か、などを考えて歴史考察をしていかなければならない。
 ちまたで本書がベストセラーになっているのは、今まで歴史の通説がつくられてきた過程があまりにもずさんであったことが大きいのではないか。歴史を研究するということはどのようなことをすべきなのかを考えさせてくれる内容になっている。
 
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