『HOSONO百景 いつか夢に見た音の旅』
著者名:細野晴臣(中矢俊一郎・編) 出版社:河出書房新社
文責 美術 木村顕彦
まえがきには次のようにある。
「この本に書かれたことは、『TRANSIT』誌の連載のために僕が気ままにしゃべったものだ。旅の雑誌ということもあり、一回ごとに世界の地域やカルチャーがテーマだったりする。」
著者は、はっぴいえんどやYMOのメンバーとして日本の音楽シーンをリードし続けてきたミュージシャン・細野晴臣(1947-)。彼が語った内容を中矢俊一郎(『TRANSIT』編集者)がまとめたのが本書である。内容については、冒頭で引用した通りだ。
まず、細野が出会い、手掛けた音楽の多くが紹介されている。カントリー、フォーク、サーフ・ミュージック、サイケデリック・ミュージック・・・。どれも、レコードジャケットの写真入りで綴られているのだが、あまりに多岐に渡ったラインナップのためか、私には極めて少ししか内容を知りえなかった(松田聖子、小泉今日子、レディー・ガガとか)。
そんな風な音楽についての記述よりも、私が細野の著作でいつも注目するのは宇宙やUFO、霊地というような、いわゆるアヤシイことに関するそれだ。
本書にもある。
「(略)『視聴覚』という言葉は米国占領軍の頭脳集団だったと思われるメイソン発。つまり、メイソンは、自由、平等、博愛、メディア、エネルギー・・・そういうことについて考え通した人たちなんだ。でも、これはすべて聞きかじりの話。」
「それから、宇宙人にしょっちゅう会っていたという亡くなった友人は、等々力あたりを走るバスに乗っていたとき、隣に座った女性に『細野さんによろしく』と言われたらしい。(略)また別の日に、デーブ・スペクター似のガイジンに声をかけられて、やっぱり同じことを言われたり、僕と友人のことを何でも知っていたとかで・・・。」
細野の音楽ファンも、そうでない人も、好奇心旺盛な方(?)にもオススメな一冊だ。
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