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○1693『ちひろさんと過ごした時間 いわさきちひろをよく知る25人の証言』○

 『ちひろさんと過ごした時間 いわさきちひろをよく知る25人の証言』
著者名:ちひろ美術館(監修)・黒柳徹子、高畑勲ほか
出版社:新日本出版社 文責 美術 木村顕彦

 いわさきちひろ(1918-1974)。画家。
 彼女の絵を見たことがない、という人はいるのだろうか?
 私の場合は、小学校時代の国語の教科書の表紙絵が1年から6年まで、いわさきちひろの絵だったということも作用してか、無意識に彼女の水彩画が記憶のどこかに刷り込まれている。
 いわさきちひろは、子どもをモチーフにした水彩画(一時期、パステル画)を得意とした。個人的には、後期の手馴れた絵よりは、初期の泥くさいデッサン画に強く惹かれるのだが。
 さて、そこで本書だ。
 本書は、タイトル副題からもわかるとおり、生前のちひろをよく知る人や、家族などの25人の証言により、彼女の実像に迫った内容の書籍である。
 淡く、美しい色彩と、輪郭線最低限の手数に抑えながらもモノのカタチを正確に掴み取るデッサン力。あいくるしい表情の子ども。
 ちひろの絵は、見る人に清らかな印象を与える。
 だが、絵の清らかさとは裏腹に、彼女の人生は苦難に満ちていたことが、本書を読むとよくわかる。
 最初の結婚の失敗。相手の自殺。
 戦前は裕福だったが、戦後、両親は「公職追放」の憂き目に遭い、荒野での開拓農民生活。
 絵本の画家として、著作権を守るための運動。
 弁護士を目指す年下の夫との生活。そして共産党員としての日々。
 それらのどれをとっても、ちひろが描くあの淡い絵からは想像もつかない出来事ばかりだ。本書ではそういった事象が、知人の証言で語られているのだから、大きな説得力と、感動を呼ぶわけだ。
 中でも意外だったのは、絵本作家の田島征三(1940-)による証言が収録されていたことだ。田島は、ちひろと同じ絵本作家(童画家)という括りではあるが、二人の作風には大きな違いがある(言うなれば、田島は、破天荒な絵を描く)。その二人に、交流と接点があったのかということが驚きだった。印象的な箇所を引用する。
 「ちひろさん、(略)ぼくにはっきり言いましたよ。『私の周りの人たちは、私の絵を退廃芸術だって言ったんだ』って。」
 これは、田島にしか吐露できなかった一言だったのだろう。いわさきちひろの孤独をうかがい知ることのできるエピソードだ。
 本書口絵には、ちひろの代表的な絵がカラー図版で掲載。夫・松本善明や息子・松本猛による証言も収録。
 いわさきちひろとは、どんな人だったかを知るには最適の一冊である。
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