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○1794『日本の民俗【下】暮らしと生業』○

 『日本の民俗【下】暮らしと生業』
著者名:芳賀日出男 出版社:クレオ 文責 美術 木村顕彦

 芳賀日出男(1921-)。民俗学的な記録写真で知られる写真家。
 本書上下巻は、芳賀が1952年から1996年までに日本人の暮らしを撮影した集大成である。
 下巻のみをここで紹介しているのに特に意味はない。気が向いたらいずれ上巻を紹介することもあるだろう。
 下巻である本書のテーマは「暮らしと生業」。
 「生業」は「なりわい」と読む。
 人が、生きるためにしている仕事、職業のことを指すその言葉。
 私は、人の口から直接その言葉を聞いたのは、たった一度しかない。
 それは、石を彫る仕事をしている女性からの一言。
 「これを生業にしています」という事を、その女性は私に話した。
 「生業」という文字を見る度に、その事を思い出す。文字にして見る事はあっても、なかなか口には出さない言葉があるものだ。
 さて、そこで本書だ。
 やりがいだとか面倒だとか四の五の言うこともなく、昔の日本人は、暮らしと生業を淡々と過ごしていた。・・・その根拠はどこにあると言われるかもしれないが、本書に収録されている日本人の顔を見ていると、そんな断言をしたくなる。
 「木地師」「船大工」「鍛冶屋」「酒造り」・・・様々な仕事をする日本人の姿が、ここにはある。
 また、稲作や、海女、巫女(おしら様信仰や、いたこ)の姿も。
 通読して特に興味深く見た写真は、「運ぶ」と題された節にまとめられている写真群だ。
 そこには、人力で様々なものを運ぶ昔の人たちの姿が写されている。
 屏風や格子戸、食卓。菅の三度笠120枚を一度に背負い運ぶ姿も。自動車のない時代の日本人の暮らしがしのばれる。
 芳賀が、写真を志したきっかけが述べられている本書あとがきも興味深い。
 それは彼が大学生だった頃。
 「はじめのうちは全く授業の内容がわからなった」あるときの講義。教授が言う。
 「神は季節の移り目に遠くから訪れ、村人の前に姿をあらわします」
 その言葉を聞き、若き日の芳賀は思う。
 「本当だろうか。もしそうなら、写真に撮ることができるかもしれない。」
 写真家・芳賀日出男の誕生だ。
 そして、その時の講義をした教授は、誰あろう、民俗学者・折口信夫であった。
 私は1997年刊の大型写真集版で本書を読んだが、最近では「ちくま学芸文庫」により文庫版が刊行されている。おすすめの一冊。 
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