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○1802『夢の光』○

 『夢の光』
著者名:田村彰英 出版社:日本カメラ社 文責 美術 木村顕彦

 2012年7月から9月にわたり、東京都写真美術館にて開催された「田村彰英写真展」。本書はその展覧会図録の書籍版である。
 田村彰英(1947-)。写真家。
 作品名はモノクロあり、カラーあり。
 私は特に、定点観測撮影の手法により撮られた「House」のシリーズを興味深く見た。それは、ある土地に家が建っていく過程が数ヶ月にわたって定点から撮影された複数の写真群である。雷の中で撮られた写真も含まれており、印象深い。また、それと同じ手法により、道を撮影した「Road」のシリーズも収録されている。
 さて、しかしながら“定点観測撮影”という名称については、本書解説において写真家・大辻清司がある指摘をしているので、まずそれをここに引用する。
 「ある概念に名前が与えられると、そのとたん一束に括られてしまって、ちょうどスーパーマーケットのパックされた野菜や魚のように、半ば抽象化した、あるいは記号化してしまった何者かに変容してしまう。」
 写真家・大辻が言いたい事はよくわかる。おそらく、写真批評に対する想いから出た言葉であろう。
 しかし、田村の写真を見たことがない方に説明するときには“定点観測”としか言いようがないのもまた事実だ。定点観測の手法ではあるが、ただ味気なく冷たい視線で撮られた写真群ではないことは、実際に田村の写真を見ればわかっていただけるはずだ。
 また、通読してみて目を引いたのは「赤陽 Dusk」と題されたシリーズ。
 「赤陽」と聞き、美術ファンならばピンとくるのは、版画家・藤牧義夫(1911-1935?)の代表作「赤陽」である。本書解説によると、実際この「赤陽 Dusk」というシリーズ名は、藤牧版画からの引用だという。若くして亡くなった(とされる)藤牧の志が、何十年後に写真作品にインスパイアされていることは嬉しい。
 しかしながら、写真「赤陽 Dusk」シリーズは、藤牧版画のように夕焼けをモチーフにしたものではないし、第一モノクロ写真群だ。
 東京や浦安(千葉県)に残る、取り残された建築物を撮影した写真「赤陽 Dusk」シリーズ。眺めているだけで静かな気持ちになってくる。
 写真家・田村彰英の写真家としての活動を一望できる一冊だ。
学校所在地
036-8124               青森県弘前市石川長者森61-1  東奥義塾高等学校 TEL:0172-92-4111 FAX:0172-92-4116

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