ToO Gijuku Topics(東奥義塾)
東奥義塾高等学校 公式ブログ

○1812『見ること、在ること』○

 『見ること、在ること』
著者名:小栗康平 出版社:平凡社 文責 美術 木村顕彦

 映画監督・小栗康平(1945-)。
 2014年11月、彼は青森県つがる市においてロケをした。監督をつとめる日仏合作映画『FOIJITA』(主演・オダギリジョー)の撮影のためだ。その映画は、画家・藤田嗣治(1886-1968)を題材にした作品で、2015年の秋以降の公開を予定している(新聞『東奥日報』2014年12月1日の朝刊による)。小栗康平が撮る藤田嗣治がどんなものになるか、今から楽しみだ。
 小栗康平と言えば、監督デビュー作『泥の河』(原作は宮本輝による小説、1980年公開)が有名だ。1980年公開ながらモノクロ映画、ということにインパクトがあり、原作小説とともに名作の誉れ高い。
 と、恥ずかしながら私は映画『泥の河』しか小栗監督作品は鑑賞していない。だが、藤田の映画を撮影、しかも青森県でロケ(作品全体のほんの一部だろうけれど)ということで妙に気になり始める。そんな折りに出会ったのが本書、小栗によるエッセイ集だ。
 通読して思ったのは、やはり小栗の監督作品を全部観てから読めば一層楽しめるだろうということ。本書の中で『死の棘』や『眠る男』といった小栗作品についてのエピソードを読んでいると、やはり実際に小栗作品を鑑賞せねばという気持ちになってくる。
 さて、最後に、特に紹介したいのは「一人前の人間」と題された節の一部分だ。
 そこには、ウスマン・センベーヌという監督が小栗に語りかけた言葉が書かれている。節のタイトル通り、「一人前の人間」とは何かを伝えたもの。以下引用。
 「自分を受けとめ、働き、気を落とさず、泣かず、他の生活を無断で利用せず、また許してはならず、されるままになってもいけない。」
 この言葉、いかがだろうか。小栗の著作でありながら、ウスマン監督の言葉を紹介するのは失礼に当たるかもしれない。だが、これほどしっかりとその言葉を文章で書いているということは、小栗自身の心のなかにその言葉がしっかりと届いているということだと私は思う。
 隙、というか、つっこみどころのない言葉だ。
 特に、「されるままになってもいけない」が私には響いた。・・・それは、津軽弁(青森県の方言)でいうところの「ひとよぐかがってりゃーまいねーやー」の精神と、私は読んだ。それは「何でもかんでも、いいよーと言って、優しくばっかりしていたら、相手のためにもよくない。それに、自分がただ利用されるだけで、あとから大変なことになる」という意味合いの言葉だ。一見すると冷たいようにも感じるこの言葉だが、年齢を重ねるにつれて私はこの「ひとよぐかがってりゃまいねーやー」が身にしみるようになってきた。そう、「されるままになってもいけない」のだ。
 その他、「やさしい学生たち」の節もなかなか身につまされる。『FOUJITA』にて久々(10年ぶり)に監督作品を発表する小栗康平について知ることのできる一冊だ。
最新記事
学校所在地
036-8124               青森県弘前市石川長者森61-1  東奥義塾高等学校 TEL:0172-92-4111 FAX:0172-92-4116

東奥義塾

Author:東奥義塾

AKB48の渡辺麻友の3rdシングル特典DVDに本校制服が!!

この公式ブログが「あおもりICTコンテスト2010(学校Webサイト部門)」で「最優秀賞」!!

東奥義塾個人情報保護方針→こちら

カレンダー
プルダウン 降順 昇順 年別

05月 | 2017年06月 | 07月
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -