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○1831『ベン・シャーンを追いかけて』○

『ベン・シャーンを追いかけて』
著者名:永田浩三 出版社:大月書店 文責 美術 木村顕彦

 「ベン・シャーンを追いかけて」。
 このタイトルを書店で見かけた時、私は自分自身の高校生時代から現在までの歳月を重ねて思った。
 ベン・シャーン(1898-1969)。画家。
 彼は、震えるようなギザギザした線描が特徴的な画を残した。
 その線描を、私は高校生時代の美術の授業での資料プリントで見た。
 それは、今振り返ると、大きな出会いだった。
 私はまだ、何事も成し遂げてはいない。
 だけれども、美術と関わって生きていく覚悟だけは持っている。
 その覚悟は、思い返してみるとどうやら前述の資料プリントで、ベン・シャーンの画を見た時に芽生えたようだ。
 さて、自分の思い出話ばかりしていてもしょうがない。本書である。
 本書著者・永田浩三(1954-)は武蔵大学社会学部教授であり、美術史家というわけではない。元々はNHKの敏腕プロデューサーとして数々のドキュメンタリー作品を手掛け、NHK退社後は現職という経歴を持つ。
 著者とベン・シャーンとの出会い、そしてシャーンの人生や代表作についての説明。それに加え、シャーンゆかりの土地(リトアニアやアメリカほか多数)、人々(ご子息ほか)に対する徹底的な取材によって、画家ベン・シャーンの実像に迫ったノン・フィクションが本書である。クライマックスには広島の地が、重要な役割を持つ。その詳細についてはぜひ実際に本書を読んで確認していただきたい。
 通読して印象に残ったのは、シャーンが「ローズベルト市の市会議員を務め」、実際に政治活動に携わっていたという事実だ。また、私が近年注目している画家ガタロ氏が本文に登場していることにも驚いた。本書によると、ガタロ氏はベン・シャーンを「好きな作家」としている。私は、そうとは知らずにガタロ氏の画に惹かれていたことを思うと、やはり作品の魅力というものは底の部分でつながっていることを痛感する。
 ベン・シャーンは、世の中にはびこる理不尽に対して、絵画制作によって告発をし続けた(加えて、先述のように市会議員として実際に政治的にも活動をした)。
 本書著者の永田浩三もまた、ベン・シャーンに通じる想いをもって番組制作を続けてきた(そのことは、本書を読み、伝わってきた)。
 永田がシャーンを「追いかけ」たその軌跡は、私などは遠く及ばないということを、本書で痛感する。
 しかし。
 本書を読み、私は様々な事を思い出し、かつ知った。
 本書にはシャーンの作品図版もカラーで多数収録されているので、ベン・シャーン作品を見てみたいという方にも最適な一冊だ。
 
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