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○1857『NHKと政治権力 番組改変事件当事者の証言』○

『NHKと政治権力 番組改変事件当事者の証言』
著者名:永田浩三 出版社:岩波書店 文責 美術 木村顕彦

 本書は岩波現代文庫の一冊である。
 タイトルにあるように本書の内容の柱は、NHKの「番組改変事件」。しかしながら、事情のわからない者からすると、NHKの、どの番組に改変が行われたかがまず最初の疑問であろう。
 改変が行われたとされる番組は『ETV2001』。4本シリーズ「戦争をどう裁くか」の第二回目「問われる戦時性暴力」についての放送だ。
 本書の記述を引用すると、それは「NHKの複数の幹部が永田町の議員たちに、番組の内容について、放送前に説明し、議員から意見をもらった後、番組の内容を徹底的に変更するよう、現場に克明な指示を行い、その結果、番組がすっかり変わってしまった出来事」だった。
 ちなみに、この番組について『NHKが危ない!』(池田恵理子・戸崎賢二・永田浩三著・あけび書房刊)という著作には次のような記述がある。
 「改変されて放送された番組『問われる戦時性暴力』は、NHKアーカイブスに公開されていないだけでなく、NHK職員が検索するデータにも入っていないため、職員ですら視聴することができません。」
 そのように、葬り去られ、隠蔽された番組。
 本書著者である永田浩三(1954-)は、NHK職員時代にその番組の制作に関わった人物だ。自らが制作した番組が、改変されて放送。その経緯が、本書にまとめられている。
 番組改変事件は、裁判になった。
 本書文中、東京高等裁判所において、永田は裁判の証言台に立った。裁判に臨む場面の記述で印象深かった箇所があるので紹介する。
 「裁判所で証言台に立つまで、わたしはひとり、二枚のCDを聴いていました。(改行)ひとつは、朝のNHKの連続テレビ小説『ファイト』のテーマです。ねじの工場を営む父親(緒方直人)が、取引先(渡辺徹)の不正を内部告発し、窮地に追い込まれ、村八分にあいながらも、娘(本仮屋ユイカ)とともに再出発する、家族の再生の物語でした。(以下略)」
 ちなみに、もう一枚のCDとは、NHK土曜ドラマ『氷壁』のテーマだったという。
 『氷壁』というドラマについては私は知らなかったが、『ファイト』は紛れもない名作ドラマだ。永田が、裁判の前にそのテーマ曲を聴いていた心境は、私にはよくわかる。人が、自らを奮い立たせる時に、音楽はあり、そして物語がある、ということだろう。
 皮肉なのは、そういった名作ドラマを世に送り出したNHK自体が、番組改変を行なっていたということだろう。
 組織とはなにか。ジャーナリズムとはなにか。政治権力との繋がりとはなにか。様々なことを示唆している一冊だ。
 
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