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○1862『形の素』○

『形の素』
著者名:赤木明登・内田鋼一・長谷川竹次郎
出版社:美術出版社 文責 美術 木村顕彦

 グレーのカバー。
 よく見ると、細い線のエンボス加工が施されている。凝った装丁だ。
 漆芸家・赤木明登(1962-)、陶芸家・内田鋼一(1969-)、鍛金師・長谷川竹次郎(1950-)。現代工芸の各ジャンルにおける人気作家たち。彼らは各々、自身の創作活動のほか、コレクションをしている。
 そんな彼らが心惹かれて集めたものたちを一冊にまとめたのが本書である。
 赤木の収集品は主に漆器だ。それらの写真図版を見ていて気づくのは、江戸時代の漆器の、何と美しいかということだ。漆のなんたるかをよく知らない私でさえも、本書に収録されている、その時代の漆器に魅了された。
 内田の収集品は、陶器のほか、民具も含まれ、多岐にわたる。中でも私の目を引いたのは「エトルリア像・腕」(イタリア/紀元前2~3世紀・テラコッタ)と「スコップ」(フランス・パキスタン・スペイン、いずれも20世紀・木製3本)。内田の審美眼に恐れ入る(・・・スコップに美を見出すとは、という感じ)。
 長谷川は、金属製の収集品が、やはり多い。それらの中で私が心惹かれたのは「せん仏」(ビルマ/バガン朝11~13世紀・陶)なるもの。それは、一辺15センチほどの陶板に、何体もの仏が浮き彫りされているものである。
 と、本書を通読していて魅力的に感じたものを挙げていったが、いかんせん文章のみではその美はなかなか伝わらないだろう(たとえば、スコップはスコップでしょうと言われてしまうと、なんとも返す言葉が見つからない)。その点で、ぜひ本書写真図版で実際に確認していただきたい。
 また、3名による解説文が掲載されているのだが、中でも特に赤木による文章は歯切れがよく、読む側が驚く記述も多い。
 例えば、「根来丸盆」(ねごろまるぼん)についての解説文では次のような記述がある。
 「世の中に根来好きは多い。だけれどもぼくは、根来を好んではいない。魅力的なのはよくわかるけれど、朱と黒のコントラストが強すぎて、自分の気持ちにどこか寄り添わない気がするのだ。」
 また、「合鹿椀」(ごうろくわん)についての解説文では「古美術愛好家には人気の椀であるが、合鹿椀として流通しているものの多くが、合鹿椀ではないことが最近の調査でわかっている。」とあり、その点についてもう少し詳しく知りたい気持ちになった。
 ・・・漆に対してニワカ知識しかない状態で、「やっぱりネゴロとゴーロクワンはいいなー」などと言っていた自分が恥ずかしい。本書は、美意識や審美眼を鍛える、という事を語る上で欠かせない一冊だ。
 
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