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○1864『黒田辰秋の世界 目利きと匠の邂逅』○

 『黒田辰秋の世界 目利きと匠の邂逅』
著者名:青木正弘(監修) 出版社:世界文化社 文責 美術 木村顕彦

 黒田辰秋(1904-1982)。木工芸の人間国宝。
 本書は彼の作品集である。
 さて、もしかしたら「木工芸」ときくと、多くの人は白木による調度品や家具を思い起こすかもしれない。
 だが、木工に対するそういったイメージを持って黒田辰秋の作品を見ると、おそらく面食らうだろう。
 なぜなら黒田作品は、木工とはいうものの、漆工芸のジャンルのものも含んでいるからだ。
 その点について青木正弘による文章、「技巧を超えた造形の力」冒頭に書かれているので、以下、引用紹介する。
 「黒田辰秋は、漆工芸と木工芸を分け隔てることなく、それぞれの要素を総合することによって、骨太で力強い拭漆の家具から朱や黒の漆を塗った可憐な棗や優美な蓋物、豊潤で豪奢な螺鈿の飾筐まで、多岐にわたり多様な作品を生んだ。」
 文中、「拭漆(ふきうるし)」や「棗(なつめ)」、「螺鈿(らでん)」など、技法上の専門用語や固有名詞が登場するが、それらの解説や実物の写真図版については本書を実際に手に取って確認していただきたい。・・・木工品も漆も。そして、家具も小物も。黒田は、木という素材の可能性を追い求めた人物だということを思い知る。
 通読して初めて知ったこともある。それは、北海道の現代木工と黒田のつながりだ。
 本書によると黒田は1933年に「北海道工業試験場で木工を指導した」とある。そして、そこでの「教え子に北海道木工界の指導者・坪田博治(1911-1957)」がいた。
 その坪田と、旭川の長原實という人物がつながり、後に「長原を筆頭に北海道家具業界のリーダーが育った」。黒田が、北海道で蒔いた種が、北海道に今も生きていることに、不思議な思いがする。
 ・・・何より驚くべきことに、黒田が北海道工業試験場にいた期間が、わずか4ヶ月ほどだということだ。偉大な人物が、他の人に影響を与えるのに、時間はいらないということか。
 ちなみに、本書に記述はないが、1933年に黒田が北海道に赴いた時に同行したのが青森県出身の陶芸家・高橋一智(1904-1983)だということも追記したい(図録『黒田辰秋展 木工芸の匠』東京国立近代美術館・1983年による)。
 その他、黒田作品を愛した川端康成や黒澤明などの著名人の旧蔵品や、彼らとの交流の軌跡も知ることのできる一冊だ。
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