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○1865『死ぬことと生きること』○

 『死ぬことと生きること』
著者名:土門拳 出版社:築地書館 文責 美術 木村顕彦

 2015年5月。私は山形県酒田市にある土門拳記念館を訪れた。
 その地で、私は改めて、氏の存在の偉大さを知る。
 土門拳(1909-1990)。『筑豊のこどもたち』『ヒロシマ』『古寺巡礼』ほか多数の写真集を刊行した、戦後日本を代表する写真家だ。
 本書は彼のエッセイ集である。
 読んだのは随分まえのことだ。記念館を訪れたことをきっかけに、再びパラパラとページをめくる。
 モノクロ写真図版数点収録。それを見るだけでも土門写真芸術の一端を知ることはできるだろう。
 エッセイ文は、自伝的なものがあったり、写真論であったり、わかりやすい言葉で書かれている。
 中でも私の記憶に強く印象に残っている箇所があるので引用紹介する。それは「写真家志望の青年へ」と題された一遍の中の文章だ。
 「今、高校在学中の若い人たちが写真が好きなことは、よろしい。そして、好きなあまり、写真家を志望することも、また、やむを得ないかもしれない。しかし、志は、よくよく家庭の事情を考えた上で、立てなくてはいけない。(一行あけて改行)こういうぼくの意見に対して、それなら、貧乏人のせがれは写真家になるなというのかと、カンカンに怒ってきたアマチュアがいた。『その通り』と、ぼくは答えた。」
 「その通り」と答えた土門。残酷な事実を告げることも、優しさであろう。折りを見て私は、この記述を思い起こす。リアリズム写真を追い求めた写真家としての人格が、言動にも一貫しているということか。似たような記述は他にもある。「写真は沢山撮らなければならぬ」と題された一遍には次のようにある。
 「だから、アマチュアとプロの見かけの違いは、まずその撮りっ振りに表われる。つまり、アマチュアは一つのモチーフを一枚しか撮らず、プロは何枚も撮る。(略)つまり、一つのモチーフをあんなに何枚も撮れば、一枚ぐらいいい写真があるのは当然じゃないかと思うわけである。まさにその通りである。(略)そして、プロはただその当然を実行しているだけなのである。」
 「プロはただその当然を実行しているだけ」という乾いた言い方に、土門の毅然とした態度が読み取れる。
 デジカメ時代ならいざ知らず、フィルムカメラ時代に何枚も撮るのには、やはり金銭的な問題もからんでくるだろう。
 それでもプロ写真家を目指すか?そういった土門の問いが聞こえてくる。
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