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○1867『漂流郵便局 届け先のわからない手紙、預かります』○

 『漂流郵便局 届け先のわからない手紙、預かります』
著者名:久保田沙耶 出版社:小学館 文責 美術 木村顕彦

 香川県三豊市・粟島。
 そこに、漂流郵便局がある。
 漂流郵便局。
 それは、「届け先のわからない手紙を預かり、『漂流郵便局留め』という形でいつかだれかに届くまで漂流私書箱に手紙を漂わせておく郵便局」。
 本書は、その漂流郵便局に送られた手紙の内容や、その活動を一冊にまとめたものである。
 ・・・と、ここまでこう書いても、よくわからない方も多いだろう。小説?・・・そうではない。漂流郵便局は、実在する。
 その郵便局は、久保田沙耶(1987-)というアーティストによって考案(?)されたアート作品(概念を作品化する、コンセプチュアルアートとも言えるだろうし、鑑賞者参加型アートとも言えるだろう)だ。
 もともと、漂流美術館という作品は、2013年に開催された瀬戸内国際芸術祭において半年間のみ実施された企画だった。それが、好評を受けて、芸術祭終了後も継続して行なわれることとなった。好評、というより、「届け先のわからない手紙」たちが、会期終了後も次々と漂流郵便局に送られてきたからだ。
 亡くなってしまった人へ。または、ある時の自分へ。感謝を伝えたいけれど、名前を知らない人へ。そんな宛先に対する文面が本書には並ぶ。
 漂流郵便局の存在は、テレビでも取り上げられた。そして、本書の刊行も。・・・多くの人は、心のどこかでこういう作品を求めていたというわけか。
 感動的な内容の文面については、本書を実際に読んでいただくとして。
 本書を通読して、私が最も印象に残ったのは、中田勝久さんの存在だ。
 中田さんは、45年間、粟島郵便局に勤め、1998年に退職された方である。
 その中田さんが、15年ぶりに郵便局で働くこととなった。漂流郵便局の局長として、だ。
 実を言えば漂流郵便局は、旧・粟島郵便局の建物を利用している。つまり中田さんにとっては、自分が長年勤めた郵便局で、再び仕事(不思議な仕事)ができるというわけである。
 現代アートはよくわからない、という人は、本書を読んでいただくと少しは現代アートについて理解していただけるはずだ。要は、コミュニケーションであり、つながりなのである。手紙の文面は人と人をつなぎ、久保田沙耶のアイデアは、中田さんに再び仕事の張り合いをもたらした。オススメの一冊だ。 
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