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○1872『増補新版 堀内正和の彫刻』○

 『増補新版 堀内正和の彫刻』
著者名:堀内正和 出版社:河出書房新社 文責 美術 木村顕彦

 手元に『Art and You 創造の世界へ』(日本文教出版・刊)という本がある。高校の美術の教科書だ。
 その中の「立体で探る」という章において「堀内正和のアトリエにある膨大な数の『小型紙彫刻』」の写真が掲載されている。
 厚紙でつくられた、いくつもの紙彫刻。彫刻の専門用語で「マケット」と呼ばれているものだ。私はそれをとても魅力的なものだと感じた。
 堀内正和(1911-2001)。彫刻家。彼はステンレスや鉄を用いた抽象彫刻を多く残した。
 堀内の抽象彫刻。
 正直に言うと、私は当初、それを見てもあまり感動を覚えなかった(写真図版を見ても、実物を見ても)。
 そうだったのだが、先に紹介した「小型紙彫刻」を見て、その考えに変化がうまれた。
 ステンレスや鉄といった強度のある素材とは一味違った厚紙マケットを知ったことにより、彼が抽象彫刻を通じて何を伝えたかったのかが僅かながらわかったのである。
 そこで本書だ。
 本書は、堀内が自身の作品を紹介したもの。アートテクニックナウというシリーズの一冊だが、このシリーズは「テクニック」を伝える技法書というよりは、アーティストの作品集という意味合いが強い。
 初期の人体彫刻や、石膏、セメント素材の作品も収録されている。
 眺めてみて感じたのは、陶オブジェを遺した八木一夫(1918-1979)や山田光(1923-2001)といった面々の作品との共通点だ。
 堀内・八木・山田は、京都という地で同じ時代を生きた。特に八木一夫とは、同じ京都市立芸術大学で教授を務めたわけで、同じ時代、同じ場所に生きることが、いかに影響を与え合うことか、この三者を見ているとよくわかる。時にその関わりは、彫刻と陶芸という素材の違いさえも飛び越えてしまう、ということか。
 さてそれとは全く別の話で、本書には、写真図版で紹介した作品の解説文が掲載されているのだが、その中に印象的な箇所があるので引用紹介する。
 「この作品は実際1枚のステンレススティール板を切り抜いて裏返して熔接して鑢をかけて仕上げたもの。その技術は実にうまい。むろん僕ではない。」
 ・・・この文章、最後の「むろん僕ではない。」の意味、おわかりだろうか?
 要は、堀内の作品の多くは、「発注芸術」と呼ばれるもので、彼自身が作成した図面を基に、職人が仕上げているのだ。つまり、「その技術」が「実にうまい」のは、作品を仕上げた職人なのである。
 古くからの、いわゆる彫刻家というイメージからすると、図面を書くだけで実際につくらないというスタイルに違和感を覚える方もおられるかもしれない。だが、大事なのはアイデアなのである。そして、そのアイデアとは何か、というと、それが「小型紙彫刻」なのである。
 『Art and You 創造の世界へ』には、堀内による次のような言葉が掲載されている。以下、引用。
 「小型紙彫刻こそ僕の創作活動の核心なのだから、これを捨て去るなんてとんでもない。-堀内正和」
 抽象彫刻に興味のある方には、ぜひ読んでいただきたい一冊だ。
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