ToO Gijuku Topics(東奥義塾)
東奥義塾高等学校 公式ブログ

○1875『インテリジェンスの原点 風のCafe』○

 『インテリジェンスの原点 風のCafe』
著者名:五木寛之 出版社:扶桑社 文責 美術 木村顕彦

 作家の五木寛之(1932-)が聞き手役、出版プロデューサーの冴木彩乃がアシスタントを務める対談番組『風のCafe』(BSフジ系列)。本書はその番組の書籍版シリーズのうちの一冊である。
 本書に収録されているゲストは、解剖学者・養老孟司(1937-)、数学者・藤原正彦(1943-)、作家・半藤一利(1930-)の三名だ。
 基になっている番組は各回30分ほどで、書籍(本書)では各人70ページほどでまとまっている。
 さて、本書におけるゲスト三名の共通点。あえてそれを挙げるとするならば、全員が第二次世界大戦の時代を経験しているという点であろう。ちなみに、五木寛之も戦争を経験している世代だ。別段、各々が兵隊に行ったわけでもなく、かつ戦争当時の年齢はバラバラだが、戦時の経験がその後の彼らの人生に大きな影響を与えていることが本書を読めばよくわかる。
 まず通読して、養老孟司の言葉で強く印象に残った箇所があるので、引用紹介したい。
 「(略)結局、言葉というのはあんまり信用しちゃいけないな、と思っているんです。『モノ』は、嘘をつかない。割れたら割れたまんまだし、それがひとりでに戻るなんてことはない。おそらく、私と同じように考えた人はたくさんいるんでしょうけど、その人たちは考えとして発言をしない。なぜかというと、もともと言葉を信用していませんから。戦後、そういう人たちはどうしたかっていうと、かなりの人が、モノづくりの世界に移ったと思いますよ。モノづくりというのは、そのプロセスに嘘がないですから。」
 これは、戦後を生きた、無言の人々の存在を言い当てていると感じた。
 続いて、藤原正彦のトークの内容から。
 「数学って、できないと辛いんですよね。ひと月たっても、半年たっても、一年たっても、一行も進まないということが、けっこうあるんです。」そして、そういう時に、何をするか。彼はそんな時、「悲しい、叙情的な歌」を聴くという。
 そして、半藤一利のトークの内容から。
 戦争のことを調べ始めた当時、取材をしても取材相手に嘘をつかれてしまうという経験をしたというのも興味深い。半藤は言う。「取材というのは、ただ行って話を聞いてくればいいわけじゃないんだ、こっちが相当勉強していかないと本当の話はきけないなと思って、勉強をはじめたんです。」
 いかがだろうか?何かひとつのことについてそれぞれが語ったというわけではない内容だ。
 しかし、おぼろげながら立ち上がってくるものがある。
 言葉を信用せず、それゆえに発言をしない者。
 悲しい時に、あえて悲しい歌を聴き、気持ちを回復させていく者。 
 不勉強な者に対しては、嘘をつき、真実をなかなか教えない者(嘘はよくない!などと小学生が言うような事では通用しないことがある、ということ)。そして、それに対抗するように勉強を重ねる者。
 本書に登場する三者を含め、ある意味で大人ならば、誰もがそういう面を持ちうるということなのだろう。
 そうだとすると、人間とは、なんと複雑なものなのだろう。
 加えて、本書について言えば、五木寛之が相手だからこそ、このような対談内容になったとも言える。それほど、人と人とは距離感を測りながら会話をしているのだろう。
学校所在地
036-8124               青森県弘前市石川長者森61-1  東奥義塾高等学校 TEL:0172-92-4111 FAX:0172-92-4116

東奥義塾

Author:東奥義塾

AKB48の渡辺麻友の3rdシングル特典DVDに本校制服が!!

この公式ブログが「あおもりICTコンテスト2010(学校Webサイト部門)」で「最優秀賞」!!

東奥義塾個人情報保護方針→こちら

カレンダー
プルダウン 降順 昇順 年別

03月 | 2017年04月 | 05月
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 - - - - - -