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○1882『廃墟の残響 戦後漫画の原像』○

 『廃墟の残響 戦後漫画の原像』
著者名:桜井哲夫 出版社:NTT出版 文責 美術 木村顕彦

 戦後の日本漫画史について考えてみる。
 戦後ストーリー漫画の地平を切り開いたのが手塚治虫だとして、その枝葉は数多く、そして幾重にも絡まり合う。
 満州出身の漫画家たちが複数いて、戦争を体験した水木しげるがいて、そして、プロレタリアの画家を父に持つ白土三平がいて。
 また、満州出身の漫画家たちの何人かは、東京のトキワ荘というアパートで暮らし・・・。それと呼応するように、関西地区では劇画工房という集団が生まれる。加えて、『ガロ』と『COM』という二つの雑誌があり、それは手塚治虫・トキワ荘系の漫画家たちと、白土三平に代表される劇画家との対比かと思いきや、永島慎二のように両者の雑誌を行き来する者が登場したりもする。
 普通、その関係があまりにも複雑ゆえ、戦後日本漫画についての論考がなされる場合はそれぞれどれか一つにテーマをしぼって書かれる。それは例えば、「手塚治虫について」だったり「トキワ荘出身の漫画家たち」だったり、「『ガロ』と『COM』の時代」、という具合に・・・。
 無理に交わらせて論じると、内容が散漫になり破綻してしまうであろう、戦後の日本漫画史。
 そこに、ある一つのキーワードを与えて、見事に繋げ、戦後の日本漫画史を論考した著作が本書である。
 ではその、ある一つのキーワードとは何か。・・・それが、本書タイトルにある「廃墟」である。
 廃墟。
 言われてみると、そのキーワードによって、戦後の日本漫画史の多くをカバーしうることに気付く。驚くべきは、大友克洋の作品までもが、それに当てはまる点だ(本書にはその点の記述もある)。
 これまで、あまた出版されてきた漫画研究書や、漫画家による自伝群をたぐり寄せながら、構成・論考がなされた本書。
 ・・・テキストとは、テキスタイル(織り物)であることに、改めて気付かされる。私は本書を通じて、また一つ、日本漫画に関する濃密な興味を深めることができた。
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