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○1905『ジブリの教科書9 耳をすませば』○

『ジブリの教科書9 耳をすませば』
著者名:スタジオジブリ・文春文庫(編)
出版社:文藝春秋 文責 美術 木村顕彦

 本書は、文春ジブリ文庫シリーズの一冊。ご存知、スタジオジブリのアニメーション映画作品一作一作についてまとめられたシリーズだ。
 本書で取り上げられている作品は『耳をすませば』(1995年公開・近藤喜文監督作品)である。
 この文庫シリーズは、複数の執筆者の寄稿と、一部カラー写真図版で構成されている。文章の多くは、映画公開当時に雑誌やパンフレットに掲載されたものの再録だが、一部、「書き下ろし」や「語り下ろし」のものもある。
 通読して私の心に最も残ったのが、鈴木敏夫(スタジオジブリプロデューサー)による「『四十五歳の新人監督』近藤喜文が泣いた夜」と題された「語り下ろし」の文章だ。この文章を読めば、近藤という人間の素晴らしさがわかっていただけるはずだ。
 ここでまず、明確にしておきたいのは、『耳をすませば』という作品は、宮崎駿が脚本・絵コンテを手掛け、近藤喜文が監督をしたという点。それを踏まえて、次の箇所を引用紹介する。
 「(略)雫(木村註・『耳をすませば』ヒロイン)が職員室を訪ね、図書カードで見て気になっていた天沢聖司(木村註・『耳をすませば』男性キャラクター)が同級生だと知るシーンです。宮さん(木村註・宮崎駿)の絵コンテでは、動揺した雫が友達といっしょに慌てて階段を駆け下ります。ところが、近ちゃん(木村註・近藤喜文)の芝居では、階段を駆け下りずに、ゆっくりと下りる。(改行)ここにおいて二人の監督の差が明確に出たんです。宮崎駿の場合は、身体が先に動くタイプの女の子、ところが、近藤喜文のほうは、動揺を受け止めた上で、考える子になっているんですよ。」
 ・・・マニアックな私は、『耳をすませば』絵コンテ集を読んだはずだが、その演出の違いまでは気付かなかった。ともあれ、演出、とか監督の仕事というのは、そういう一つ一つを決定していくことなのだということが、この記述からよくわかる。
 また、同じ文章の中で、劇中歌の『カントリーロード』の日本語版の歌詞についても話が及ぶ。それによると、なんとその歌詞のおおもとをつくったのは鈴木敏夫プロデューサーの娘さん(当時19歳)だったとのこと。
 そして、その歌詞のある一部分について、宮崎と近藤が口論になる。結果的に近藤が折れる形になるが、後年仙台で、その思いを吐露し、涙を見せたという話が書かれているので、詳細はぜひ本書を実際に読んで確認していただきたい(以前私が、鈴木敏夫著『ジブリ汗まみれ1』(復刊ドットコム)についての書評を書いた時にも、仙台で近藤が涙したというエピソードは紹介している。だが本書ではそれよりもさらに詳しく書かれている部分もあり、興味が尽きない)。
 その他、劇中に登場するイラストを担当した画家・井上直久と宮崎駿の出会いのエピソードもなかなかすごい。なんと、会ったこともない宮崎駿に展覧会の案内状を送ったことから二人の交流が始まり、それから程なくして『耳をすませば』の劇中のイラストを手掛けたというのだから。
 ジブリ好きの人のみならず、誰もが楽しめる一冊だ。『耳をすませば』を観たことのない人にも。・・・でもまあ、だいたい本書を手に取る方はそれを観た人だろうけれど。
 
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